- 米国企業
- Apple Inc.
Apple Inc.AAPL
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- 企業概況
- 世界最大のテクノロジー企業。故スティーブ・ジョブズ氏がパソコン開発で起業、マッキントッシュで独自路線を敷いた。22年に米国企業で初めて時価総額3兆ドル突破。iPhoneが稼ぎ頭。会員制音楽・映画配信、決済のApple Pay、iCloudなどサービス基盤構築。南北アメリカを筆頭に、欧州、中華圏の順に稼ぐ。独自のAI「アップルインテリジェンス」発表、24年内にもサービス開始。バフェット銘柄の代表格。
- 業績概況
- 23年9月期はクラウドなどサービス関連収益が増加。ただドル高の逆風もあり減収減益。24年9月期は中華圏の製品販売がスロースタート。MacとiPhoneは売上高横ばい圏。だが、iPadは新モデルで終盤急回復。欧州中心にサービス収益も伸びる。為替の影響も緩和し増収増益に。
- テーマ
- バフェット銘柄、5G、フィンテック、中国・アジア開拓
- ブランド
- iPhone(スマートフォン)、iPad(タブレット端末)、iTunes(音楽再生ソフト)、Apple Watch(スマートウォッチ)、Macintosh(パーソナルコンピューター)
- ライバル企業
- Samsung ElectronicsAmazon.comAlphabetMicrosoft Corp
- 同業種の日本企業
- ソニーグループパナソニック HD
事業内容
Apple Inc.は主にスマートフォンやパソコン、タブレット、ウェアラブル機器の設計・製造・販売と、それらを結ぶソフトウエアやサービスの提供を行う企業です。 同社はハードウエアとOS、アプリ配信や音楽・映像・クラウドなどのサービスを統合した顧客体験を重視しています。
同社の顧客は一般消費者のほか、小中規模事業、教育機関、大企業、政府など多岐にわたります。 収益構造はハード販売が大きな割合を占める一方で、サブスクリプションやデジタルコンテンツ、修理・サポート、有料サービスや広告・決済といったサービス収入が成長しており、安定した収益源かつ高い利益率を支えています。
同社は事業を地域別(米州、欧州、グレーターチャイナ、日本、アジア太平洋)に管理し、市場や流通パートナーの特性に合わせて販売戦略を調整しています。 製品ラインは端末と周辺機器に加え、アプリ配信やクラウドサービス、AppleCareなどの有料サポートや決済サービスまで多岐にわたり、ハードとソフトを一体で設計する垂直統合で差別化を図っています。
経営方針
同社は持続的な成長と株主還元の両立を目指しています。直近の公開情報では、2024年3月29日時点の非支配株主保有分の時価総額がおよそ2兆6,285億ドル(約2.63兆ドル)に達しており、発行済株式数は約151.2億株です。株主還元では2024会計年度に約4.99億株を買い戻しにより約950億ドルを支出しており、取締役会は2024年5月に最大1,100億ドルの買戻し枠を承認しています。同社はこのような資本配分を通じて株主価値の向上を図るとともに、サービス分野の拡大で売上の安定化と高い利益率の維持を目指しています。
同社はハードウェアとソフトウェア、サービスを一体で提供する強みを差別化の中核としています。製品では自社で設計する独自チップや統合された基本ソフトを用い、サービス面ではクラウド同期や有料のサポート、決済サービスといった継続収益を重視しています。また、研究開発と人材確保にも重点投資しており、2024年度の株式報酬費用は約116.9億ドル、未認識の報酬コストは約194億ドルと報告されており、報酬制度を通じてエンジニアや製品開発人材の維持・獲得に努めています。同時に、主要部品の一部が単一供給源に依存するリスクを認識しつつ、サプライヤー契約や調達の多様化で安定供給を確保しようとしています。
同社は新市場開拓と事業拡大にも積極的です。地域別の運営は米州、欧州、グレーター・チャイナ、日本、その他アジア太平洋に分かれており、それぞれの市場戦略を別個に展開しています。販売チャネルでは直販と間接販路を併用しており、2024年は直販が約38%、間接販路が約62%の比率でした。欧州での規制対応ではアプリ配信や決済の代替手段を導入するなど現地ルールに合わせた事業モデルの改定を行い、コンテンツや決済、有料サービスの拡大で新たな収益源を構築する計画を進めています。小売についても世界の主要都市での店舗展開やサービス拡充に投資しています。
同社は技術革新を成長の原動力と位置づけ、製品設計からソフトウェア、サービスまでの垂直統合を通じて優位性を維持しようとしています。新製品はしばしば専用部品を必要とし、そのためサプライヤーと早期に協業して生産立ち上げを支援するなど実務的な対策を取っています。知的財産の保護や高付加価値サービスの提供にも注力しており、製品とサービスの継続的な改良によって差別化を図るとともに、研究開発投資や人材報酬を通じて次世代技術の内部蓄積を目指しています。