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ジャパン・ティッシュエンジニアリングJP:7774
事業内容
ジャパン・ティッシュエンジニアリングは、再生医療を基盤にした事業を展開する企業で、組織再生による根本治療を目指しています。同社は「再生医療をあたりまえの医療に」をビジョンに掲げ、再生医療製品の開発、製造、販売を行う再生医療製品事業、再生医療に関する開発及び製造を受託する再生医療受託事業、研究用ヒト培養組織の開発、製造、販売を行う研究開発支援事業を展開しています。
同社は、2021年に帝人グループの一員となり、親会社である帝人株式会社との協力により事業を拡大しています。また、2023年に設立された帝人リジェネット株式会社と再生医療CDMO事業で連携しています。ジャパン・ティッシュエンジニアリングの事業の根幹は、ティッシュエンジニアリング技術にあり、細胞培養や生体材料工学を活用して組織や臓器を再生する技術を提供しています。
再生医療製品事業では、同社は自家培養表皮ジェイス、自家培養軟骨ジャック、自家培養角膜上皮ネピック、自家培養口腔粘膜上皮オキュラル、メラノサイト含有自家培養表皮ジャスミンなどの製品を開発し、医療機関向けに提供しています。これらの製品は、患者自身の細胞を培養し、移植することで組織や臓器の機能を回復させることを目的としています。
再生医療受託事業では、同社はアカデミアや医療機関、企業を対象に、再生医療製品の開発製造受託(CDMO)サービスや開発業務受託(CRO)サービスを提供しています。これにより、細胞種や製品形態を問わず、シーズの開発段階から実用化後までトータルに支援しています。
研究開発支援事業では、同社はティッシュエンジニアリング技術を活用し、研究用ヒト培養組織ラボサイトシリーズを開発、製造、販売しています。ラボサイトは「エピ・モデル」「角膜モデル」「エピ・キット」の3つの製品ラインアップを揃え、医薬品や化粧品の開発における安全性や有効性の確認に利用されています。
新規パイプラインの開発では、同社は他家(同種)培養表皮やCAR-T細胞製剤の開発に取り組んでいます。他家培養表皮は、他人の皮膚を原材料とした製品で、再生医療の産業化を目指しています。CAR-T細胞製剤は、急性リンパ性白血病を対象とした治療法で、名古屋大学と協力して開発を進めています。
経営方針
ジャパン・ティッシュエンジニアリングは、再生医療を基盤にした事業を展開し、組織再生による根本治療を目指しています。同社は「再生医療をあたりまえの医療に」をビジョンに掲げ、再生医療製品の開発、製造、販売を行う再生医療製品事業、再生医療に関する開発及び製造を受託する再生医療受託事業、研究用ヒト培養組織の開発、製造、販売を行う研究開発支援事業を展開しています。
同社の成長戦略は、基盤強化、市場拡大、領域展開の3つに分かれています。基盤強化では、再生医療製品の提供活動で培ったノウハウを活用し、既存事業の売上利益を最大化し、黒字体質の基盤を確立することを目指しています。市場拡大では、既存製品とは異なる対象患者の多い市場をターゲットに、新規自家製品の上市や適応拡大を通じて売上を大幅に拡大させる方針です。
領域展開では、同種製品やがん免疫治療などの新たな製品・領域への展開を実現し、中期目標として売上高50億円、営業利益率10%超を達成することを目指しています。具体的には、皮膚領域での同種細胞を用いた培養表皮の上市や、名古屋大学と開発中の自家CAR-T細胞製剤の上市を計画しています。
ジャパン・ティッシュエンジニアリングは、再生医療の産業化を通じて社会から求められる企業となることを経営理念とし、法令・倫理遵守の下、患者のQOL向上に貢献することを目指しています。これにより、全てのステークホルダーがより善く生きることを信条としています。