南海化学JP:4040

時価総額
¥58.5億
PER
5.2倍
化学品メーカーとして、苛性ソーダや次亜塩素酸ソーダの製造・販売を行う基礎化学品事業、酢酸ナトリウムやグルコサミンの製造・販売を手がける機能化学品事業、土壌殺菌剤クロルピクリンの製造・販売を行うアグリ事業、廃硫酸のリサイクルを中心とする環境リサイクル事業、塩の加工・販売を行う各種塩事業を展開。

沿革

1906-10各種化学製品の製造を目的として、南海硫肥株式会社(当社の前身)創業
1907-07さらし粉製造開始
1911-01現在の青岸工場にて硫酸製造開始
1918-05土佐工場の前身である土佐曹達株式会社設立
苛性ソーダ製造開始
1918-09小雑賀工場(現在の和歌山工場)竣工、生産開始
1920-02和歌山株取引所に株式を上場(1939年9月 上場廃止)
1939-09株式会社中山製鋼所と合併
1947-07各種化学製品の販売を目的として、興南商事株式会社設立(その後興南産業株式会社と改称し、2020年4月 吸収合併)
1951-06株式会社中山製鋼所から分離し、南海化学工業株式会社設立
1976-04本社を現在の大阪市西区に移転
2000-10東日本での各種化学製品の販路拡大を目的として、東京オフィス(現在の東京支店)開設
2000-12全社にてISO14001認証取得完了
2002-08各種塩事業の強化を目的として、株式会社エヌエムソルト(当社子会社)設立
2003-03研究開発事業の強化を目的として、株式会社南海化学アールアンドディー設立
(2019年6月 吸収合併)
2004-03京都・滋賀地域の販売強化を目的として、株式会社山藤を子会社化(2018年4月 吸収合併)
2006-03有機化学製品の製造強化を目的として、富士アミドケミカル株式会社を子会社化
2009-05如皋市四友合成化工有限公司(当社子会社)設立
2010-01南海化学株式会社へ商号変更
2010-04環境リサイクル事業(青岸工場)を分社化、エヌシー環境株式会社(当社子会社)設立
2010-06如皋南海水処理剤有限公司(当社子会社)設立
2011-04有機化学製品の販売強化を目的として、富士アミドケミカル株式会社の営業部門を継承
2013-02南海グローバルケミ株式会社(SPC)が株式会社中山製鋼所及びその関連会社が所有する当社株式の全株を取得し、株式会社中山製鋼所との資本関係が消滅
2013-09南海グローバルケミ株式会社(SPC)を吸収合併
2016-05如皋新南海国際貿易有限公司(当社子会社)設立
2018-01環境リサイクル事業の多角化を目的として、三和油化工業株式会社と合弁にて、サンワ南海リサイクル株式会社(持分法適用関連会社)を設立
2018-04株式会社山藤の吸収合併に伴い、京都市南区に京都支店を開設
2020-06化学品事業における取扱品目の拡充を目的として、エア・ウォーター株式会社及び東洋炭素株式会社と合弁にて、ATNグラファイト・テクノロジー株式会社(持分法適用関連会社)を設立
2023-02東京支店を現在の台東区に移転
2023-03如皋新南海国際貿易有限公司(当社子会社)清算
2023-04東京証券取引所スタンダード市場に株式上場

事業内容

南海化学は、1906年の創業以来、化学品メーカーとしての歴史を築いてきました。同社は、「化学品事業を通じて地球環境と豊かな社会の創生に貢献する」という企業理念のもと、多岐にわたる製品とサービスを提供しています。その事業は、基礎化学品、機能化学品、アグリ、環境リサイクル、各種塩事業の5つのセグメントに分類されます。

基礎化学品事業では、苛性ソーダや合成塩酸、次亜塩素酸ソーダなどのクロール・アルカリ製品や、水処理凝集剤の製造・販売を行っています。これらの製品は、水資源関連、医療、食品などの分野で広く利用されています。

機能化学品事業では、酢酸ナトリウム(食品用日持ち向上剤)やグルコサミンなどの食品添加物や健康食品の製造・販売、医薬・農薬・電子材料等の中間体の製造・販売、スルホン化やクロル化技術を活用した受託製造業務を展開しています。

アグリ事業では、土壌殺菌剤として使用されるクロルピクリンの製造・販売を行っており、農業従事者により安全に使用できるよう、錠剤タイプの普及活動に力を入れています。

環境リサイクル事業では、廃硫酸のリサイクルを中心に、硫酸を精製し各種メーカーへ販売する業務を行っています。これにより、石油精製業者などからの廃硫酸を有効利用しています。

各種塩事業では、オーストラリアやメキシコから輸入した原塩を加工し、食品関係や融雪など様々な用途に用いられる塩を製造・販売しています。特に和歌山県南部地区の梅干し加工業者や全国の食品メーカーへの販売に注力しています。

これらの事業を通じて、南海化学は化学工業の発展に貢献し、環境保全や社会の豊かさの向上に努めています。

経営方針

南海化学は、化学品メーカーとしての長い歴史を持ち、地球環境と豊かな社会の創生に貢献することを企業理念としています。同社は、基礎化学品、機能化学品、アグリ、環境リサイクル、各種塩事業の5つのセグメントを通じて、多岐にわたる製品とサービスを提供しています。特に、2013年に独立して以降、マーケットイン型の企業へと大きく転換し、顧客ニーズに基づいた商品開発に注力しています。

経営環境の変化に対応するため、南海化学は2023年4月に東京証券取引所スタンダード市場に上場し、ガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底を図りながら、ステークホルダーの満足度向上に努めています。また、企業価値の向上と株主利益の増大を目指し、売上高、経常利益、ROEを主な経営指標として掲げ、成長性の高め方を模索しています。

同社は、環境に貢献する新規ビジネスの確立、新たな事業投資ポートフォリオによる強靭な企業集団の構築、生産性の向上と原価率の低減による事業基盤の確立を経営上及び財務上の対処すべき課題としています。これらの課題に対応するため、硫酸リサイクル事業の基盤強化、脱塩事業の稼働開始、二次電池分野でのリサイクル事業の新設、事業ポートフォリオの見直し、生産性の向上など、多角的な取り組みを実施しています。

南海化学は、これらの成長戦略を推進することで、不透明な経営環境の中でも安定的な収益の確保と、持続可能な成長を目指しています。