南海化学JP:4040

時価総額
¥70.1億
PER
6.2倍
化学品メーカーとして、苛性ソーダや次亜塩素酸ソーダの製造・販売を行う基礎化学品事業、酢酸ナトリウムやグルコサミンの製造・販売を手がける機能化学品事業、土壌殺菌剤クロルピクリンの製造・販売を行うアグリ事業、廃硫酸のリサイクルを中心とする環境リサイクル事業、塩の加工・販売を行う各種塩事業を展開。

沿革

事業内容

南海化学は、1906年の創業以来、化学品メーカーとしての歴史を築いてきました。同社は、「化学品事業を通じて地球環境と豊かな社会の創生に貢献する」という企業理念のもと、多岐にわたる製品とサービスを提供しています。その事業は、基礎化学品、機能化学品、アグリ、環境リサイクル、各種塩事業の5つのセグメントに分類されます。

基礎化学品事業では、苛性ソーダや合成塩酸、次亜塩素酸ソーダなどのクロール・アルカリ製品や、水処理凝集剤の製造・販売を行っています。これらの製品は、水資源関連、医療、食品などの分野で広く利用されています。

機能化学品事業では、酢酸ナトリウム(食品用日持ち向上剤)やグルコサミンなどの食品添加物や健康食品の製造・販売、医薬・農薬・電子材料等の中間体の製造・販売、スルホン化やクロル化技術を活用した受託製造業務を展開しています。

アグリ事業では、土壌殺菌剤として使用されるクロルピクリンの製造・販売を行っており、農業従事者により安全に使用できるよう、錠剤タイプの普及活動に力を入れています。

環境リサイクル事業では、廃硫酸のリサイクルを中心に、硫酸を精製し各種メーカーへ販売する業務を行っています。これにより、石油精製業者などからの廃硫酸を有効利用しています。

各種塩事業では、オーストラリアやメキシコから輸入した原塩を加工し、食品関係や融雪など様々な用途に用いられる塩を製造・販売しています。特に和歌山県南部地区の梅干し加工業者や全国の食品メーカーへの販売に注力しています。

これらの事業を通じて、南海化学は化学工業の発展に貢献し、環境保全や社会の豊かさの向上に努めています。

経営方針

南海化学は、化学品メーカーとしての長い歴史を持ち、地球環境と豊かな社会の創生に貢献することを企業理念としています。同社は、基礎化学品、機能化学品、アグリ、環境リサイクル、各種塩事業の5つのセグメントを通じて、多岐にわたる製品とサービスを提供しています。特に、2013年に独立して以降、マーケットイン型の企業へと大きく転換し、顧客ニーズに基づいた商品開発に注力しています。

経営環境の変化に対応するため、南海化学は2023年4月に東京証券取引所スタンダード市場に上場し、ガバナンスの強化とコンプライアンスの徹底を図りながら、ステークホルダーの満足度向上に努めています。また、企業価値の向上と株主利益の増大を目指し、売上高、経常利益、ROEを主な経営指標として掲げ、成長性の高め方を模索しています。

同社は、環境に貢献する新規ビジネスの確立、新たな事業投資ポートフォリオによる強靭な企業集団の構築、生産性の向上と原価率の低減による事業基盤の確立を経営上及び財務上の対処すべき課題としています。これらの課題に対応するため、硫酸リサイクル事業の基盤強化、脱塩事業の稼働開始、二次電池分野でのリサイクル事業の新設、事業ポートフォリオの見直し、生産性の向上など、多角的な取り組みを実施しています。

南海化学は、これらの成長戦略を推進することで、不透明な経営環境の中でも安定的な収益の確保と、持続可能な成長を目指しています。