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MDJM LTDUOKA
事業内容
MDJM LTDは英国を拠点に、歴史的資産の取得・運営を中心にホスピタリティと文化事業を展開しています。同社は城やホテルを活用した宿泊・イベント運営と、東西の文化を融合させた体験型プロジェクトや生活向け商品を扱っています。
同社の収益構造は変化しており、かつては中国の不動産開発業者向けの販売代理・マーケティングで収入を得ていましたが、これらは縮小しており2024年は中国事業からの収入がありませんでした。現在は英国での宿泊料やイベント収入、物件の運用収益、そして自社の通販サイトでの製品販売が主要な収入源になっています。
同社の事業は大きく分けて三つあり、英国における歴史的建物の買収・ホテル運営、文化ブランドと体験コンテンツの創出、そして工芸品などを扱う通販による小売です。英国事業は夏季に需要が高まる季節性を持ち、ドイツや日本の子会社は現時点で事業規模が小さいため今後の拡大余地があります。
経営方針
同社は海外事業への転換を成長の中心に据え、まず英国を主軸に業容を拡大することで収益の安定化と早期の黒字化を目指しています。実績として2024年はホテル収入が全体の100%(売上48,375米ドル)を占め、英国に所在する資産は2023年の約3.82百万米ドルから2024年は約5.19百万米ドルへ増加しており(前年から約36%増)、この資産基盤を活用して宿泊・賃貸管理事業の収益拡大を図っています。一方で2024年の当期純損失は約318万米ドルとなっており、同社は私募による約2.43百万米ドルの資金調達や行使されたワラントによる追加資金を基に、財務基盤の立て直しと事業投資を進める計画です。
同社は重点投資分野として歴史的価値のある不動産取得と、それを核にした体験型の宿泊・文化事業に注力しています。既にフェルニー城(Fernie Castle)やロビンヒルホテル等を取得しており、これらの資産を改修して「英国の城」と「東洋の庭」を組み合わせた独自の顧客体験を提供することで差別化を図っています。加えて自社のECプラットフォーム(uokaus.com)で職人の手仕事や文化性の高い商品を販売するなど、宿泊と物販を組み合わせた収益モデルを作る具体的施策を展開しています。
同社は新市場開拓として英国を中心に日本やドイツなど欧州・アジアの拠点を連携させ、海外での資産取得と賃貸・ホテル運営の拡大を計画しています。中国国内事業は縮小しており、2024年は中国での売上は発生していないため、今後はMD UK、MD Japan、MD German等の子会社を通じて欧州・日本での案件獲得に注力する方針です。具体的には追加の歴史的建築物の買収・改装、旅行サイトやSNS(Booking.com、TripAdvisor、Instagram等)を活用した集客強化、および宿泊プランや文化イベントの立案によって稼働率と客単価を引き上げる施策を進めます。
同社は技術革新とコンプライアンスの強化にも取り組んでいます。オンライン販売と予約管理を一体化するプラットフォームを整備し、顧客関係管理や販売チャネルのデジタル化で収益効率を改善する計画です。同時に情報セキュリティと個人情報保護については英国の監督機関への登録を済ませ、従業員向けの教育や最新の監視情報の共有などで体制を整備しており、これまで重大なサイバー事件は発生していません。財務報告面では米国会計基準対応の人員強化や外部コンサル活用で内部統制を強化し、上場基準の維持・回復と中長期的な企業価値向上を目指しています。