Snap IncSNAP

時価総額
$129.9億
PER
カメラ系視覚メッセージング事業の大手。短尺動画とARレンズを主力サービスとして展開。テンセントが持分、22年7月に5億ドルの自社株買い、23年買収総額は約7310万ドル。2017年3月NYSE上場。米国・欧州中心に展開。

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企業概況
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業績概況
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同業種の日本企業
1社)

事業内容

Snap Incはモバイル向けのソーシャルアプリを中核に事業を展開する企業で、代表的なサービスとしてSnapchatを運営しています。 同社は写真や短い動画(スナップ)を使った即時のコミュニケーションを提供し、消える投稿やストーリーズ、ARフィルターなどでユーザーの表現を促進しています。

同社の主要な顧客は広告主と広告代理店で、アプリ内の表示枠を販売する広告収入が事業の大部分を占めます。 加えて、眼鏡型デバイスや開発者向けの連携サービスからの売上や、クリエイターやコンテンツパートナーとの共同収益も補完的な収益源になっています。

事業面ではアプリ本体の機能群が中核で、カメラ中心のメッセージ機能、一定期間で消えるストーリーズ、短尺動画のSpotlight、編集・配信を行うDiscoverなどを提供しています。 これに加えて、顔や空間を使った拡張現実(AR)レンズや外部アプリとつなぐ開発者向けツール、ハードウェア(Spectacles)を組み合わせてエコシステムを広げています。

経営方針

同社は成長戦略として「コミュニティの拡大と利用の深化」「収益の加速と多様化」「拡張現実(AR)への投資」という三つの優先事項に注力しています。直近の業績では日間アクティブユーザー(DAU)が4.53億人と前期比9%増加し、1人当たり平均収益(ARPU)は1四半期で3.44ドルに達しました。これにより2024年通期売上高は54億ドル(前年比約16%増)に成長し、調整後EBITDAは5.086億ドルまで改善するなど、同社は持続的な収益成長と収益性の改善を目指しています。

重点投資分野は広告プロダクトの高度化、クリエイター/コンテンツエコシステム、そしてハードウェアを含む拡張現実です。具体的には、カメラを核にした独自のARレンズやLens Studioを通じて開発者やブランドと協業し、広告フォーマットや計測手法を差別化しています。過去数年で技術・人材の獲得を目的とした買収も行っており(2023年買収総額は約7,310万ドル、2022年は約1.205億ドル)、これらを通じて他社と一線を画すユーザー体験と広告効果を高めようとしています。

事業拡大の計画としては、国際展開と収益源の多様化を明確に打ち出しています。SpotlightやDiscoverなどのコンテンツ領域のマネタイズ強化、拡張現実を活用したコマース(試着や商品の可視化)やブランド向けソリューションの拡大が中心です。また広告パートナー向けに回収リスクを抑えつつ与信を提供する仕組みや、広告効果のプライバシー配慮型計測を推進して広告主の導入を促す施策も実行しています。これらはユーザー基盤の拡大とARを軸にした新たな収益化を両立させる狙いです。

技術革新ではコンピュータービジョンや機械学習を核に、端末上で動く処理やプライバシー配慮型の計測技術に投資しています。ハードウェア面ではSpectaclesを含む製品開発や、拡張現実の長期的基盤となるソフトウェアとクラウド基盤の強化を継続しています。財務面でも2024年末時点で現金・現金同等物が約34億ドルあり、これを背景に研究開発やインフラ投資を継続していく姿勢を示しています。