- 米国企業
- RESMED INC
RESMED INCRMD
ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン
- 企業概況
- (108文字)
- 業績概況
- テーマ
- (1項目)
- ブランド
- (2項目)
- ライバル企業
- (4社)
- 同業種の日本企業
- (3社)
事業内容
RESMED INCは、睡眠時無呼吸症候群や慢性呼吸器疾患の治療を目的としたデジタル医療機器とクラウド接続ソリューションを設計・製造・販売するグローバル企業です。同社は陽圧呼吸療法機器(一般にCPAPと呼ばれる装置)やマスク類、患者データを活用した遠隔モニタリングなどを主力に、在宅での治療と健康管理を支える製品群を提供しています。
同社の主要顧客は在宅医療機器販売業者(HME)、睡眠外来や診療所、病院、介護施設などで、患者は診断後に処方を受けて在宅で機器を利用する流れが一般的です。収益は機器販売に加え、延長保証やデータ提供などのサービス収入、さらに介護・在宅向け業務管理ソフトのサブスクリプションや保守契約による定期収入が柱になっています。
事業は大きく「Sleep and Breathing Health」と「Residential Care Software」の二本柱に分かれており、前者は治療機器、マスク、周辺アクセサリと患者モニタリングのデータサービスを含みます。後者はBrightreeやMatrixCareといった在宅介護・施設向けの業務管理クラウド製品を中心に、定期契約型のソフト提供で施設や事業者の運営を支援しており、同社は代理店と直販を組み合わせて世界各地で販売とサービスを展開しています。
経営方針
同社はデジタルヘルスとクラウド接続型医療機器を軸に、持続的な収益成長と株主還元を両立することを目指しています。直近の通期売上高は約51.5億ドル(2025年)、前年の約46.9億ドルから増加し、純利益は約14.0億ドル、希薄化後1株当たり利益は9.55ドルでした。財務基盤も強く、営業運転資金は約24.9億ドル、総資産は約81.7億ドル、自己資本は約59.7億ドルと健全であるため、R&D投資や設備投資、株主還元(2025年度の年間配当は1株当たり2.12ドル、2014年以降の自社株買い累計は920万株・約8.627億ドル)を継続的に行う余力があります。
重点投資分野は、睡眠・呼吸領域の機器事業と住宅系介護向けソフトの二本柱で、差別化はハードとソフトの連携による「機器+クラウド+サービス」の提供にあります。研究開発費は2025年度で約3.31億ドルを計上しており、製品改良やデータ解析機能の強化に資金を振り向けています。販売・管理費も約9.91億ドルを投じており、医療機関や在宅医療業者(HME)への営業網とサポート体制を維持することで、競合製品との性能・サポート面で差別化を図っています。
新市場開拓と事業拡大では、既に140か国以上で販売を展開している強みを活かし、特にサブスクリプション型の住宅ケア向けソフト(Brightree、MatrixCareなど)を拡大することで収益の継続性を高めようとしています。M&Aや戦略投資も成長エンジンの一つであり、取引後の統合リスクを認識しつつ買収による技術・顧客基盤の取り込みを進めています。なお、同社は自社株買い枠(2014年承認、上限2,000万株)を活用しており、2025年6月末時点で追加買戻し可能な株式は約1,080万株、直近四半期の買戻しは4月〜5月に計418,734株を平均238.81ドルで実行しています。
技術革新への取り組みとしては、クラウド接続による遠隔モニタリングやデータ駆動の治療最適化を重視し、機器単体ではなくデータとサービスで患者アウトカムの向上と医療費低減に貢献することを目指しています。サイバーセキュリティやプライバシー保護にも投資を行い、国際基準に沿った監査(ISO、SOC2、HITRUSTなど)や事業継続計画を整備しています。一方で、体重減少薬など新たな治療選択肢や規制・保険償還の変化が需要に影響する可能性も想定し、製品性能の向上とソフトウェアによる付加価値創出で競争力を維持しようとしています。