Redfin CorpRDFN

時価総額
$13.9億
PER
住宅不動産仲介の有力企業。自社エージェントと技術を組み合わせた検索サイトとモバイルアプリ、低手数料(販売手数料1〜1.5%)を展開。2025年2月にZillowと提携。米国・カナダの約100市場で展開。

事業内容

Redfin Corpは住宅の売買を仲介するオンライン不動産会社で、約100の米国とカナダの市場で事業を展開しています。同社は自社の仲介担当者と自前の検索サイトやスマホアプリを組み合わせ、従来より低い手数料で迅速に取引を進めるサービスを提供しています。

主要な顧客は家を売る人や買う人、賃貸を探す消費者や物件管理者、そして住宅ローンを利用する借り手です。同社の収益は売買の仲介手数料のほか、ローンの組成・サービス手数料、登記・決済業務の手数料、賃貸広告やウェブサイトのリード販売など複数の柱で成り立っています。低めの手数料を提示して顧客を集め、規模でコストを下げるモデルをとっています。

事業は大きく不動産仲介、賃貸プラットフォーム、住宅ローン関連、登記・決済、サイトの収益化に分かれています。同社は仲介担当者を雇用して報酬や福利厚生に投資し、生産性とサービス品質の向上を図っています。主要市場はボストン、サンフランシスコ、シアトルなどの大都市圏に集中し、他社との提携も通じて広告やリードの収益化を強化しています。

経営方針

同社は成長戦略として「テクノロジーと地域密着型サービスの両立」でシェア拡大を目指しています。具体的には米加で約100市場に展開し、仲介手数料は売り手向けに一般的な約2.5%と比べて1〜1.5%に抑えることで顧客獲得を図っています。事業の多角化も進めており、仲介収入に加えて住宅ローン、タイトル業務、賃貸プラットフォーム、ウェブ上でのリード販売など複数の収入源を持つことで安定的な成長を目指しています。2024年末時点で従業員数は4,778人、2024年の平均リードエージェントは1,765人と、拡大のための人員基盤も確保しています。

同社は重点投資分野として人材と顧客獲得コストの最適化を重視しています。従来の独立営業者モデルとは異なりリードエージェントを雇用して福利厚生を提供することで、エージェントの定着とサービス品質向上を図り、実際に同社のリードエージェントは競合と比べて中央値所得が2倍以上、生産性も2倍以上になっています。報酬体系の見直しも進めており、2024年は当初4市場で試行した取引ボーナス中心の支払い制度を5月・8月に段階展開し、10月には全市場へ展開しました。加えて、住宅ローン中核の買収(例:Bay Equity)や業務提携で商品幅と利ざや改善に投資しています。

同社は新市場開拓と事業拡大の手段として、既存市場の深掘りに加え提携や収益化モデルの転換を進めています。2024年末に「マネタイズ」事業が単独の報告セグメントに再分類されたのは、同セグメントの利益が合算した事業利益の10%を超えたためで、デジタル資産の収益化が着実に伸びている証左です。さらに2025年2月には大手不動産サイトとの提携を発表し、自社サイトでのリスティングの範囲拡大と、プロパティマネジャーへのサブスクリプションから外部企業へのリード販売への収益モデル転換を実行しています。こうした提携や買収を通じて市場カバレッジと収益チャネルを速やかに拡大する方針です。

同社は技術革新を成長の基盤と位置づけ、プラットフォームと内部システムへの投資を継続しています。ウェブサイトとモバイルアプリを自社で運用し、ソフトウェア開発費や内部利用ソフトの資本化を行う一方、研究開発費として計上する項目も維持しています(例:2023年の技術・開発費は約1.83億ドルで売上の約18.8%)。またサイバーセキュリティ体制を監督委員会が統括し、情報セキュリティ専門チーム、インシデント対応チーム、外部評価や保険を組み合わせてリスク管理を行っているため、技術面での信頼性向上と同時に顧客データ保護にも重点を置いています。