INSULET CORPPODD

時価総額
$220.2億
PER
インスリンデバイス事業の大手。使い捨てポッド式のOmnipodプラットフォームを展開。2023年に特許資産を2,510万ドルで買収、2022年に生産関連資産を2,900万ドルで買収。米国・欧州・アジア中心に展開、製造拠点は米国とマレーシア保有。

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企業概況
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業績概況
テーマ
ブランド
3項目)
ライバル企業
2社)
同業種の日本企業
1社)

事業内容

Insulet Corporationは、無チューブ型のインスリン投与システムを中心に開発・製造・販売する医療機器メーカーで、日常的なインスリン管理を簡便にする「オムニポッド」プラットフォームを主力製品としています。 同社は使い捨ての投与ユニットとそれを制御する機器や関連ソフトを組み合わせて提供し、在宅での血糖管理を支援しています。

主な顧客はインスリン依存の糖尿病患者やその治療にあたる医療機関、保険者や流通チャネルで、製品本体だけでなく消耗品の継続購入が収益の大きな柱になっています。 同社の売上はオムニポッド・プラットフォームに依存しており、米国を中心に海外販売も拡大している点が特徴です。

事業は一つの報告セグメントで運営しており、製品ラインは使い捨てのポッド、コントローラー(操作端末)、自動化支援のソフトウェアやデータサービスなどで構成されています。 同社は自社製造拠点の拡充や品質・規制対応に注力し、重要部品の安定供給や顧客向けのサポート・教育体制を整えることで製品の継続利用を促しています。

経営方針

同社は持続的な売上拡大を成長戦略の中核に据えています。2024年の売上高は約20.7億ドルとなり、前年の約17.0億ドルから約22%増と着実に拡大しました。売上の約25%は国際市場からで、2024年は国際売上が410.1百万ドルから523.4百万ドルへ伸びており、海外比率の引き上げを通じた全体成長を目指しています。主要な収益源は引き続きオムニポッド製品群であり、同社はこのプラットフォームを軸に顧客基盤を広げることを目標としています。

同社は製造力とサービス面への重点投資で差別化を図っています。2024年の設備投資は約1.25億ドルに上り、マレーシアの新製造拠点向けに機械や治具を導入して生産能力を拡大しました。また、在庫の積み増しやサプライチェーンの冗長化で供給リスクを低減しており、専有部品や特許に対する単独調達リスクは在庫保有や自社化で管理しています。品質面ではISOや欧州の医療機器規制認証を取得し、外部業者の監査や工程での検査体制を強化することで製品信頼性を訴求しています。

同社は新市場開拓と事業拡大に向けた具体的施策を進めています。マレーシアでは所有する約40万平方フィートの拠点を中心に生産基盤を整備し、2025年も設備投資は増加すると見込んでいます。商業面では直接消費者向けの投資や国際販売網の拡充に注力しており、クラウド基盤やソフトウェア投資(2024年の開発済ソフトウェア投資は約910万ドル)を通じて販売・サポート体制を強化しています。こうした取り組みは現地市場での普及率向上と為替リスク管理(2024年は収益の約25%が外貨建て)を両立する狙いです。

同社は技術革新を成長の原動力と位置づけ、内外の技術獲得と自社開発を並行して推進しています。ポンプ型自動インスリン投与関連の特許取得のために2023年に約2,510万ドルを投じたほか、2022年には生産技術を含む資産取得(約2,900万ドル)を行い、独自技術の内製化とコスト削減を進めています。クラウドやセキュリティへの投資も継続しており、情報システム統制の不備は2024年末までに是正済みとし、取締役会の監督下でサイバー防御やプログラム開発を強化することで製品・サービスの差別化を目指しています。