NEWELL BRANDS INC.NWL

時価総額
$13.5億
PER
家庭用品、学用品、ベビー用品、アウトドア用品を扱う世界的消費財の最大手。Rubbermaid、Sharpie、Graco、Colemanなどの有名ブランド製品を展開。2022年3月にCH&S事業を約5.93億ドルで売却。米国・欧州を中心に世界展開。

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企業概況
107文字)
業績概況
テーマ
ブランド
4項目)
ライバル企業
5社)
同業種の日本企業
2社)

事業内容

NEWELL BRANDS INC.は世界的な消費財メーカーで、家庭用品や筆記具、育児用品、アウトドア用品など日常で使われる幅広い製品を企画・製造・販売しています。同社は複数の有名ブランドを有し、小売チャネルと自社のオンライン販売を中心に事業を展開しています。

主要な顧客は大手の量販店、倉庫型店舗、百貨店、ドラッグ・食品店、専門店、そしてEC事業者や自社の直販で、これらへの卸売と直販が収益の大きな柱になっています。同社は季節変動や大手小売の交渉力の影響を受けやすく、販売チャネルごとの数量や商品構成が業績に直結します。

事業は経営判断に基づき、家庭・商業向け、学習・育児向け、アウトドア・レクリエーション向けの三つのセグメントで管理しています。同社はそれぞれのセグメントでキッチン家電や食品保存、清掃・整理用品、筆記具やラベル用品、ベビー用品、キャンプ用品や機能的なウェア類といった製品群を揃え、得意先の品ぞろえ最適化や販促プログラムで取引先のニーズに応えています。

経営方針

同社は「グローバルで次世代の消費財企業」をつくることを目指しています。収益性回復のために、Project PhoenixやProject Ovid、Realignment Planといった立て直し施策を順次実行し、固定費の削減とキャッシュフローの改善を優先しています。具体的には、2024年にリストラクチャ関連費用として約3700万ドルと1500万ドルの特別費用を計上し、残る組織再編は2025年度末までに実施する見込みとしています。配当方針も見直しており、四半期配当を引き下げたうえで財務健全化と配当の両立を図る方針です。

同社はブランド力と商品差別化を成長の軸に据えています。Rubbermaid、Sharpie、Graco、Colemanなどの主要ブランドへの投資を続け、広告・販促や商品開発に資金を振り向けることで、競合との差別化と価格維持を狙っています。販売チャネル面では小売大手への供給と並行して、自社の直接販売やデジタル販売を強化する「One Newell」型の営業モデルに移行し、販売・財務・デジタルの機能を中央集約して効率化を進めています。なお、2024年時点で非米国事業は売上の約38%を占めており、国際展開も重要なフォーカスです。

事業拡大やポートフォリオ最適化の具体策として、非中核資産の売却や事業再編を積極的に行っています。例えば、2022年にConnected Home and Security事業を約5.93億ドルで売却し、2023年にもイタリアのMillefiori事業を売却しました。加えて、本社機能の集約(アトランタ新本社への移転や既存施設の売却・リースバック)で不動産コストを最適化し、地域ごとの統一した販売戦略で成長機会を取りに行く計画です。これらは在庫・供給計画の見直しや小売側の在庫削減圧力に対応するための施策でもあります。

技術革新に関しては、eコマースやオムニチャネル、デジタル技術への投資を重視しています。同社はデジタル販売比率を高めることで消費者との接点を増やし、広告効果の可視化や需要予測の精度向上を目指しています。併せてサイバーセキュリティを強化し、専任の情報セキュリティ組織による社内対策に加え、外部の評価機関やペネトレーションテスト業者を活用してリスク管理を実行しています。ただし、同社自身もこれら投資が短期的にコスト増となるリスクや、期待した成果が得られない可能性を明示しており、実行力と効果の両方を慎重に見極めながら進めています。