U-NEXT HOLDINGSJP:9418

時価総額
¥3607.5億
PER
19.5倍
映像配信や店舗・施設向けソリューション、通信・エネルギー等の大手。月額映像配信サービス『U-NEXT』、POSレジ『USENレジ』、自動精算機、光回線『USEN光plus』、電力サービス『USENでんき』を展開。連結子会社29社・持分法適用関連会社2社を有する。日本・東南アジア中心に展開。

事業内容

U-NEXT HOLDINGSは、映像配信を中心に店舗向けソリューション、通信・エネルギー、金融・不動産など幅広い事業を傘下で展開する持株会社です。主力は個人向けの定額制映像配信サービス「U-NEXT」で、映画やドラマ、電子書籍、音楽やスポーツなど多ジャンルのコンテンツを月額課金で提供しています。

同社の主要な顧客は個人の定額会員と飲食店やホテル、医療機関などの事業者で、収益は会員の月額料や作品の課金収入に加え、店舗向けサービスの契約料・機器販売、通信や電力の契約、決済や賃貸仲介などの手数料で構成されています。事業ごとに継続的な契約収入と単発の販売収入を組み合わせて収益基盤を支えています。

同社の事業は大きく四つのセグメントに分かれており、コンテンツ配信事業では動画配信とオリジナル作品の強化を進めています。店舗・施設ソリューション事業では音楽配信や店舗DX、POSレジや自動精算機、監視カメラなどの導入と保守を行い、通信・エネルギー事業では法人向けネットワークや光回線、携帯回線サービス、電力・ガスの供給を手がけています。金融・不動産・グローバル事業ではリースや割賦、家賃保証、キャッシュレス決済や商業ビル運営、東南アジア中心のフードデリバリーブランド展開などで新たな収益源を追求しています。

経営方針

同社は中期経営計画「Road to 2030」を掲げ、グループ企業価値の最大化を成長の最重要課題としています。具体的には売上高、EBITDA(利払い・税引前・減価償却前利益)、CAPEX(設備投資)を計画どおり維持しつつ、自己資本比率やROE(収益性・効率性・財務レバレッジで構成される指標)のベンチマークを設定して業績管理を行っています。5年後・10年後の市場を見据え、定額会員の拡大やARPU(加入者1人当たりの平均収益)の向上を通じて安定した収益基盤を確立することを目指しています。

同社はコンテンツ配信事業を重点投資分野と位置づけ、動画に加えて音楽・スポーツ分野の強化とオリジナルIPの開発で差別化を図っています。特に「オールインワン・エンターテインメント」として動画、電子書籍、音楽・ライブをワンストップで提供し、U-NEXTポイントの充実で利用価値を高め顧客利用率とARPUの改善を目指しています。店舗向けでは国内で高いシェアを持つ音楽配信や自社開発のUSENレジを基幹サービスとし、POSや自動精算機、保守を組み合わせたワンストップ提案で事業者向けの競争力を強めています。

同社は既存の顧客基盤と販売チャネルを活用して新市場を開拓し、事業領域を拡大しています。通信・エネルギーでは法人向けに高圧・低圧の実質再生可能エネルギープランを推進するとともに家庭向けプランの普及を進め、金融領域ではアクワイアリング(決済受入れ)や非対面決済への参入を進めます。不動産事業では顧客基盤を生かしたテナント誘致や集客支援、グローバルではインバウンド・アウトバウンド両面での新規事業立ち上げを通じて収益の柱を増やすことを目指しています。

同社は技術革新を成長の原動力と位置づけ、IoT(機器のネット接続)やAI(データ解析や自動化)、ICT/SaaSといったIT技術を積極的に取り入れています。これにより店舗・施設向けのDXサービスや法人向けのソリューション開発を加速し、ハード(機器)とソフト(サービス・保守)を統合した提供で付加価値を高めます。また「Work Style Innovation」による人材育成やコンプライアンス・ガバナンスの強化にも注力し、迅速な意思決定と持続的なサービス創出力の向上を図ることを目指しています。