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ispaceJP:9348
沿革
2010-01 | 当社代表取締役CEOの袴田武史が東北大学吉田和哉教授とともに日本からGoogle Lunar XPRIZE(注1)参加の検討を開始 |
2010-09 | 合同会社ホワイトレーベルスペース・ジャパン(現 当社)を埼玉県入間市に設立 |
2011-08 | Google Lunar XPRIZE向けの月面探査車(ローバー)のプロトタイプを発表 |
2013-05 | 合同会社を株式会社に組織変更し、社名を株式会社ispaceに変更 |
2013-07 | Google Lunar XPRIZEに日本唯一の参加チーム「HAKUTO」(注2)として始動 |
2015-01 | 「HAKUTO」で開発するローバーが宇宙空間でも機能する性能を持つことが評価され、Google Lunar XPRIZEの中間賞を受賞 米国デラウェア州にispace technologies, inc.を設立し、株式会社ispaceを子会社化する組織変更を実施 |
2015-08 | 業容拡大に伴い、本社を東京都港区麻布台に移転 |
2016-04 | 月面開発事業への本格進出に向け、月着陸船(ランダー)の開発に着手 |
2016-10 | インキュベイトファンド株式会社及び株式会社日ノ樹よりコンバーティブル・エクイティで2億円を調達 日本での事業化加速のため、米国本社ispace technologies, inc.を解散の上、株式会社ispaceを本社に変更 新規に子会社ispace technologies U.S., inc.(連結子会社)を米国デラウェア州に設立し、NASA Ames Research Park(米国カリフォルニア州)内にオフィスを設置 |
2017-03 | ルクセンブルク大公国政府と月の資源開発に関する覚書を締結し、子会社ispace EUROPE S.A.(連結子会社)を設立 |
2017-12 | 月着陸船(ランダー)開発のために101.5億円の資金調達(シリーズA)を実施 |
2018-02 | シリーズAの追加ラウンドとして2億円(累計103.5億円)の資金調達を実施 |
2018-03 | Google Lunar XPRIZEの終了に伴い、HAKUTOプログラムを終了 |
2018-07 | 業容拡大に伴い、本社を東京都港区芝に移転 |
2018-09 | 月面探査の技術検証ミッション「HAKUTO-R」(注3)プログラムの立上げ及びSpace Exploration Technologies Corp.(以下、「SpaceX社」という。)のファルコン9ロケットで相乗りでの打上げを公表 |
2018-11 | NASAによる月面輸送サービスの商業的購買プログラムであるCommercial Lunar Payload Serviceに米国The Charles Stark Draper Laboratory, Inc.のチームとして選定 |
2019-05 | European Space Agency(以下、「ESA」という。)との間で、月資源利用の実証に向けたミッション「In-Situ Resource Utilization」(ISRU)の事前検討に係る契約を締結 |
2019-07 | 子会社のメンバーが、ESAの月の水探査を目指すプロジェクト(PROSPECT)のサイエンスチームに選出 |
2020-07 | 月着陸船(ランダ―)開発のために追加で30億円の資金調達(シリーズB)を実施 |
2020-12 | ispace technologies U.S., inc.のオフィスをカリフォルニア州からコロラド州デンバーへ移転 ミッション・コントロール・センター(月着陸船及び月面探査車を地球から操縦するための管制室)を東京都中央区日本橋に開設 NASAによる月面で採取した月のレゴリス(砂)の販売に関する商取引プログラムに、当社とispace EUROPE S.A.が採択される シリーズBの追加ラウンドとして5億円(累計35億円)の資金調達を実施 |
2021-02 | 業容拡大に伴い、本社を東京都中央区日本橋浜町に移転 |
2021-05 | 国内大手銀行4行から、総額19.5億円の借入を実行 |
2021-07 | 東京都中央区に株式会社ispace Japanを設立 |
2021-10 | シリーズCの追加ラウンドとして2.5億円(累計55.6億円)の資金調達を実施 |
2021-12 | 子会社ispace EUROPE S.A.がESAの月面輸送サービスパイロットプログラムにAriane groupと共同採択される |
2022-07 | ispace technologies U.S., inc.がチャールズ・スターク・ドレイパー研究所(以下、「ドレイパー研究所」という。)を中心とするチームの一員としてNASAの商業的物資輸送プログラム(Commercial Lunar Payload Services、以下、「CLPS」という。)のタスクオーダーCP-12のサービスプロバイダーに採択される 金融機関各行より総額50億円の借入を実行 |
2022-12 | 民間月面探査プログラムミッション1の打上げをフロリダ州ケープカナベラル宇宙基地より実施 |
2023-04 | 東京証券取引所グロース市場に株式を上場し、65.1億円の資金調達を実施 ミッション1マイルストーンのSuccess8までを完了、Success9の完了が困難と判断 |
2023-12 | SBIR制度の公募テーマ「月面ランダーの開発・運用実証」において、補助対象事業として採択され、補助金120億円の交付決定通知書を受領 |
2024-01 | 金融機関各行より、2024年3月期の総額として78億円の借入を実行 |
2024-03 | 海外募集により83.6億円の資金調達を実施 |
2024-04 | 株式会社三井住友銀行より借換も含めた総額70億円の融資契約を締結 |
事業内容
ispaceは、「Expand our planet. Expand our future.」をビジョンに掲げ、人類の生活圏を宇宙に広げることを目指す次世代の民間宇宙企業です。同社グループは、ispace EUROPE S.A.(ルクセンブルク)、ispace technologies U.S., inc.(米国)、株式会社ispace Japan(日本)を含む4社で構成されています。主な事業モデルとして、自社開発中のランダーとローバーを用いたペイロードサービス、データサービス、パートナーシップサービスを提供しています。
ペイロードサービスでは、顧客の荷物を月まで輸送するサービスを提供し、技術的なアドバイスや調整、月面到着後の実験やデータ通信等のサービスも含まれます。データサービスでは、将来的に顧客が自身のペイロードを用いてデータ収集を行い、その結果を地球へ送り返すサービスを提供予定です。パートナーシップサービスでは、同社グループの活動をコンテンツとして利用する権利や広告媒体上でのロゴマークの露出、データ利用権等を販売しています。
ispaceは、ランダーとローバーの開発において、段階的プロジェクト計画法に準拠したシステムエンジニアリング活動を行い、高い品質を保ちながら効率的な開発を目指しています。また、外部の専門プレーヤーとの協力も積極的に行っており、推進システムや着陸制御システムの開発において、エアバスから分離独立したAriane Group社や、ドレイパー研究所などの協力を得ています。
長期ビジョンとしては、「Moon Valley 2040」の実現を目指しており、月を人類が宇宙内で活動する上でのエネルギー補給基地として活用し、地球と月が一つのエコシステムとなるエネルギー経済圏を創出することを目標にしています。これには、月の水資源やその他の資源の商業的価値に着目し、低価格・高頻度な月面輸送プラットフォームの構築や、月面資源のデータマッピングなどが含まれます。
経営方針
ispaceは、「Expand our planet. Expand our future.」をビジョンに掲げ、地球と月を一つのエコシステムとすることで、月に新たな経済圏を創出することを目指しています。同社は、民間月面探査の先駆者として、持続的な成長と企業価値の最大化を追求しています。そのために、品質向上サイクルの実現、ミッションリスクへの備え、継続的なミッション資金の確保、政府宇宙機関及び民間企業の双方をターゲットとした顧客基盤の拡大、中長期的な売上拡大及び収益性の改善を経営戦略の柱としています。
品質向上サイクルの実現に向け、ispaceはローバー及びランダーの開発を進めており、民間企業ならではの柔軟な品質向上サイクルを回すことを目指しています。これには、COTS品の利用や、失敗に対する許容度を高く設定することで、開発コストの低減と実証機会の増加を図っています。
ミッションリスクへの備えとして、SpaceX社のファルコン9ロケットを利用した打上げ計画や、損害保険の締結を通じて、財務的リスクを軽減しています。
継続的なミッション資金の確保に関しては、シリーズAからCの増資、金融機関からの借入、東京証券取引所グロース市場への上場を通じた資金調達を実施しています。
顧客基盤の拡大においては、政府宇宙機関と民間企業の双方をターゲットに、ペイロードサービス、データサービス、パートナーシップサービスを提供しています。また、MOUやI-PSAの締結を通じて、将来的なペイロードサービスの受注につなげることを見込んでいます。
中長期的な売上拡大及び収益性の改善に向けては、ミッション4以降、年2回から3回のミッションを実施し、ペイロードサイズの増大とミッションの高頻度化を計画しています。これにより、ペイロードサービスからの売上を拡大し、コスト削減を実施することで収益性の向上を目指しています。