豊和銀行JP:8559

時価総額
PER
銀行業を中心とする単一セグメントの有力企業。法人向け融資や個人向け預金、証券業務と投資信託・保険商品の窓口販売を展開。中小企業向け融資や資産運用サービスに注力。全国の顧客基盤とオンラインチャネル強化を推進。

事業内容

豊和銀行は、銀行業を中心に地域の個人や企業向けに金融サービスを展開しています。具体的には預金の受入れや貸出、為替業務に加え、証券仲介や投資信託・保険商品の窓口販売など幅広い商品を取り扱っています。

同社の主要な顧客は個人と中小企業で、地域の事業者や家庭の資金需要に応えています。収益構造は貸出による利息収入が中心で、証券仲介や投信・保険の販売に伴う手数料収入が補完的な収入源になっています。

同社は事業区分を銀行業の単一セグメントとしており、業務は預金、融資、為替、資産運用相談などに整理されています。窓口での対面サービスを重視しつつ、有価証券仲介や投資信託・保険の販売を通じて顧客の資産ニーズにも対応しています。

経営方針

同社は「経営強化計画」(2022年4月〜2025年3月)を通じて収益基盤の安定化と地域支援の両立を目指しています。具体的な指標としては、コア業務純益や業務粗利益経費率を改善目標に掲げ、最新の速報値ではコア業務純益が1,802百万円となり計画比+281百万円、業務粗利益経費率は63.43%まで改善して目標を達成見込みです。一方で、中小規模事業者向け貸出残高は3,096億円で計画に対し約83億円の未達、経営改善支援の取り組み割合は3.66%で0.57ポイントの未達となっており、短期的な課題も明確です。

同社は重点投資分野として地域の中小企業支援と個人向け資産運用の両輪を打ち出しています。中小企業向けには「Vサポート」や「経営改善応援ファンド」「資金繰り安定化ファンド」といった支援メニューを拡充し、貸出残高や貸出比率の確保を図っています。個人向けでは預金・融資に加え、証券仲介や投資信託・保険商品の窓口販売を強化し、利息収入に頼らない手数料収入の拡大によって収益構造の多様化を目指しています。

同社は地元大分における市場開拓と事業拡大を重視しており、既存顧客への深耕と新規顧客の獲得で成長を目指しています。具体的には蓄積した経営改善ノウハウをより多くの事業者に展開して「経営改善支援等取組先」の比率を引き上げることを掲げており、事業承継支援や創業支援にも注力しています。また、地域経済の実情(物価上昇や人手不足など)を踏まえ、伴走型の融資や再生支援を通じて地元企業の収益改善と銀行の長期的な貸出基盤強化を図っています。

同社は技術革新にも取り組んでおり、業務効率化のためのデジタル化・機械化投資を実行しています。業務粗利益経費率の算出では機械化関連費用を考慮する仕組みを採っており、短期的なシステム投資を先行させることで中長期的なコスト削減とサービス品質向上を両立させようとしています。加えて、金利環境の変化に合わせた預貸金利の改定や、店舗での対面サービスとオンラインサービスの併用により顧客接点の最適化を進めています。