南日本銀行JP:8554

時価総額
PER
銀行業の有力企業。連結子会社2社・持分法適用関連会社1社を傘下に、預金・貸出、法人向け融資、個人向け資産運用、内外為替、有価証券投資、リース、ファンド組成・運用、現金輸送・警備を展開。本支店ネットワークで国内中心に展開。

事業内容

南日本銀行は、鹿児島を中心に地域密着型の銀行業を展開する地方銀行です。同社は預金の受け入れや個人・法人向けの貸出、有価証券による運用、内国為替や外国為替を含む決済業務を主力サービスとして提供しています。

主要な顧客は地元の個人や中小企業、自治体など地域の事業者が中心です。同社の収益は貸出と預金の金利差による利ざやが柱で、これに加えて手数料収入や証券売買益、関係会社が生む収益が補完的に寄与しています。

事業は銀行本体の銀行業と、連結子会社・持分法適用関連会社が担うその他事業に分かれています。銀行業では預金・貸出・有価証券運用・為替決済を担当し、関係会社はリース業務や投資ファンドの組成・運営、現金の輸送・警備といったサービスを行っています。

経営方針

同社は地域密着型の成長を目指しており、2023年度から2025年度までの第1次中期経営計画「インテグリティある組織への変革」を最終年度に迎えています。本計画では「中小規模事業者向け専門の金融機関としてのビジネスモデル構築」を含む5つの重点戦略を掲げ、預貸利ざやを主軸とする収益構造を維持しつつ、手数料収入や証券運用、関係会社の収益で補完することで持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指しています。2025年度は新人事制度に移行して運用段階に入る重要な年であり、人材育成を通じた組織強化を成長の柱としています。

重点投資分野では中小規模事業者への支援を最優先に据え、迅速な資金繰り支援や本業支援を行うWIN-WINネット業務による新販路開拓支援、経営改善支援を具体策として展開しています。同社は地域に根ざした窓口力を差別化要因と位置づけ、事業者ごとに高度な相談対応ができる「プロの人材」を育成することで、単なる融資提供者ではなく経営パートナーとしての価値を高めようとしています。関係会社によるリースや投資ファンド運営、現金輸送といった補完的サービスも、ワンストップの提案力を高めるための投資対象です。

新市場開拓と事業拡大については、鹿児島県内の観光回復や地域産業の再活性化をにらんだ支援策を強化しています。同社はインバウンド回復で需要が見込まれる観光・宿泊分野や、資材・燃料費高止まりや人手不足の影響を受ける地場産業に対して、自治体や地元事業者と連携した融資・支援スキームを拡充する計画です。また、既存の預貸業務だけでなく、関係会社を通じた金融以外のサービス提供で取引先との接点を増やし、地域内でのビジネス拡大を図っています。

技術革新への取り組みとしては、顧客に迅速かつ高度なサービスを提供するための業務効率化とデジタル化を進めています。同社は決済業務の高度化や事務の自動化、窓口とオンラインを組み合わせたチャネル整備に投資する方針であり、これを新人事制度と連動させてITを活用できる人材育成に取り組んでいます。人手によるきめ細かい支援とITによる効率化を両立させることで、地域密着の強みを維持しつつ競争力を高めようとしています。