エッチ・ケー・エスJP:7219

時価総額
¥35.6億
PER
14倍
自動車部品や軽量小型飛行機用エンジン部品の有力企業。マフラー、電子部品、ターボチャージャー、サスペンション、冷熱、エンジン部品を展開。子会社6社、関連会社1社を有する。国内・タイ・中国(上海)・欧州・米国で展開。

事業内容

エッチ・ケー・エスは、自動車関連部品の製造・販売と軽量小型飛行機用エンジン部品の販売を主力とする企業です。主にマフラーや電子制御部品、ターボチャージャー、サスペンション、冷熱系やエンジン部品などを手掛け、関連する研究やサービス事業も展開しています。

同社の主要な顧客は自動車メーカーや販売店、整備工場、個人の愛好家、それに海外の流通・販売パートナーや航空機関連企業です。同社は国内販売と海外拠点を通じた輸出・販売、さらに現地での広報・マーケティング活動で収益を上げています。

事業は大きく「自動車関連部品事業」と「その他(航空用部品)事業」に分けています。自動車関連では自社と海外子会社で製造・販売の体制を整え、航空用部品は同社が販売を担いながら技術開発や加工連携も進めています。

経営方針

エッチ・ケー・エスは、売上高と経常利益を主要な経営指標と位置づけ、安定的かつ収益性の高い成長を目指しています。最近の米国市場の関税や需要低下、中国経済の不透明感など外部環境の逆風で売上高が前期を下回る結果となったことを踏まえ、ブランド力強化と収益改善を最優先課題に掲げ、スポーツタイプ車両向けの新商材開発のスピードアップや市場投入タイミングの最適化といった施策で収益回復を図っています。

重点投資分野は、サスペンション、マフラー、エンジン、過給制御部品などの内製部品を中心とした競争力強化です。同社は内製化によるコスト削減と品質管理の徹底を進め、マフラーはハイエンド展開とエントリーゾーンの住み分けを明確化するなど商品戦略で差別化を図っています。また、富士宮の工場を活用した「Made in Fujinomiya」PRや工場見学でブランドファンを増やす取り組みなど、現場を生かした認知向上にも投資しています。

新市場開拓では、海外の新規販路の探索や仕向け地別のパッケージ商材展開で販売チャネルを多様化する計画です。米国依存リスクや製造受託先の需要減少を補うために、国内外での販路強化と現地マーケティングを推進し、旧車部品への展開や新たなレースカテゴリーへの参入を通じて顧客層を広げることを目指しています。これらにより輸出比率のバランス改善と売上基盤の拡大を図っています。

技術革新面では、同社は電動化(EV・HV)やカーボンニュートラル対応を注視し、製品設計や材料、製造プロセスの見直しを進めています。顧客要求を製品開発に反映させる手法の導入や品質向上施策、従業員の能力開発を目的とした新たな評価制度の導入を通じて開発期間の短縮と品質安定を狙います。加えて、脱炭素燃料や二酸化炭素の吸脱着に関する研究、再生エネルギーやリサイクル技術の活用など、次世代の自動車技術に対応する技術投資を強化し、競争力の源泉にしていくことを目指しています。