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エスペックJP:6859
事業内容
エスペックは、装置事業、サービス事業、その他事業の3つの主要な事業セグメントを持っています。
装置事業では、エスペックは環境試験器を提供しています。これらの試験器は、自動車や通信、電子部品などにおける温度や湿度、その他の環境因子の影響を試験するために使用されます。また、エナジーデバイス装置として、二次電池の性能や寿命を評価する充放電サイクル評価装置や、燃料電池の評価装置も提供しています。さらに、半導体関連装置として、半導体の検査工程で使用されるバーンイン装置や、電子部品の電気的特性を評価する計測システムも取り扱っています。
サービス事業では、エスペックは環境試験器や装置のメンテナンスサービスを提供しています。これには、装置の設置や移設、周辺工事、周辺機器の販売が含まれます。また、受託試験や環境試験器のレンタル、リセール、計測機器の校正サービスも行っています。中国では、愛斯佩克測試科技(上海)有限公司が受託試験を担当しています。
その他事業では、エスペックミック株式会社が環境保全事業を展開しています。具体的には、森づくりや水辺づくり、都市緑化などを行っています。また、エスペックとエスペックミック株式会社は共同で植物工場事業にも取り組んでおり、研究用育苗装置を提供しています。
経営方針
エスペックは、長期ビジョン「ESPEC Vision 2025」の実現に向けて、2022年度から中期経営計画「プログレッシブ プラン2025」を推進してきました。この計画では、2024年度に売上高672億円、営業利益75億円を達成し、目標を1年前倒しでクリアしました。これを受けて、2025年度から新たに「PROGRESSIVE PLUS 2027」を策定し、持続可能な高利益体質の確立を目指しています。
エスペックの成長戦略は、環境試験業界での世界的トップランナーとしての地位を維持しつつ、イノベーションを推進することにあります。具体的には、グローバルな事業を通じた社会課題の解決、責任ある製品サービスの提供、環境への配慮、多様な人材の確保・育成、グループガバナンスの強化を重要課題としています。これらの課題を中期経営計画に反映し、柔軟に見直しを行いながら取り組んでいます。
「PROGRESSIVE PLUS 2027」では、AI半導体、自動運転、衛星通信をターゲット市場とし、2027年度に売上高700億円、営業利益105億円を目指しています。装置事業では、これらの市場に対応する製品群の拡充と新製品開発を進め、グローバル市場での競争優位性を確立します。また、サービス事業では、受託試験事業の拡大やIT技術を活用した顧客サービスの強化を図ります。
エスペックは、財務資本戦略として資本コストと株価を意識した経営を推進し、総資産の効率化や株主還元を強化します。非財務戦略では、人的資本の強化や環境への取り組み、ガバナンスの向上に注力し、持続的な企業価値の向上を目指しています。これにより、エスペックは質の向上と利益成長を実現し、筋肉質な企業体質への転換を図ります。