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QDレーザJP:6613
沿革
2006年4月 |
富士通株式会社と三井物産株式会社のベンチャーキャピタル資金を活用して、富士通株式会社の量子ドットレーザ(※1)技術に基づく光デバイスのベンチャー企業として、東京都千代田区に株式会社QDレーザ(資本金10,020千円)を設立 |
2006年6月 |
国立大学法人東京大学と「量子ドットの結晶成長技術(※2)に関する研究」で共同研究契約締結 |
2010年4月 |
業務拡大に伴い、本社を神奈川県川崎市川崎区に移転 |
2010年9月 |
光通信用1240-1310nm 量子ドットレーザを世界で初めて実用量産化し、QLF1339シリーズとして商品化 |
2011年4月 |
単一モード発振特性(※3)に優れた1030-1180nm 材料加工・センサ用DFBレーザをQLD106xシリーズとして商品化 |
640-785nm 高出力レーザ(モニタPD付き)をQLF063xシリーズとして商品化 |
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2012年1月 |
ISO9001認証取得 |
2013年3月 |
532, 561, 594nm 小型可視レーザモジュールをQLD0593シリーズとして商品化 |
2014年2月 |
1064nm 400mWのDFBレーザモジュール(※4)開発 |
2014年4月 |
波長1μm帯DFBレーザモジュール搭載ピコ秒パルスドライバーボードを商品化 |
2015年9月 |
臨床試験実施の目的で、ドイツエッセン市に非連結子会社QD Laser Deutschland GmbH(資本金25,000EUR)を設立 |
2018年7月 |
網膜走査型レーザアイウェア「RETISSA Display」販売開始 |
2019年10月 |
網膜走査型レーザアイウェア「RETISSA DisplayⅡ」発表・受注開始 |
EN ISO13485認証取得 |
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2019年12月 |
網膜走査型レーザアイウェア「RETISSA DisplayⅡ」販売開始 |
2020年1月 |
網膜走査型レーザアイウェア「RETISSA メディカル」が新医療機器として製造販売承認を取得 |
2020年10月 |
加賀FEI株式会社とRETISSAシリーズに関する販売代理店契約を締結 |
2021年2月 |
東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場 |
2021年3月 |
医療機器 網膜走査型レーザアイウェア「RETISSA メディカル」販売開始 |
2021年10月 |
小型マルチカラーレーザとドライバのサンプル販売開始 |
2022年1月 |
当社の走査型網膜投影デバイスの画像品質全般の評価方法がIEC 62906-5-5:2022として発行 |
2022年4月 |
東京証券取引所の市場区分の見直しによりマザーズ市場からグロース市場へ移行 |
2022年8月 |
網膜投影製品の販売目的で、米国デラウェア州に非連結子会社QD Laser America,Inc(資本金10,000USD)を設立 |
2023年2月 |
眼の健康チェックツール「RETISSA MEOCHECK」販売開始 |
2023年3月 |
網膜投影型ビューファインダー「RETISSA NEOVIEWER」、網膜投影型拡大読書器「RETISSA ON HAND」販売開始 |
RETISSA シリーズ累計1,300台出荷達成 |
No |
用語 |
用語定義 |
1 |
量子ドットレーザ |
量子ドットレーザは、半導体レーザの活性層(発光部)に半導体のナノサイズの微結晶である量子ドットを使用したレーザです。温度安定性に優れ(-40℃から120℃の範囲でレーザ動作特性が殆ど変化しません)、高温にて動作可能です(200℃以上でも動作します)。波長1300nm帯でレーザ発振するためデータ通信用に用いられます。 量子ドットレーザをシリコンに融合させて(フリップチップ接合またはウェハ接合を行っております)、光源とすることでシリコンフォトニクス光源となります。量子ドットレーザはこのシリコンフォトニクス光源として最も優れており、光コネクタ、チップ間インターコネクトやLiDARへの適用・検討が進められております。その理由は、1)高温のCPUの近くでも安定して動作する、2)ノイズに強く部品点数を削減・低コスト化できる、3)高温度で動作させても長寿命である、の3点です。光通信で用いられる通信用インジウムリン系半導体レーザではこれらに対しては対応不能です。 |
2 |
結晶成長技術 |
半導体結晶を半導体基板上に成長させる技術で、当社はその中でも分子線エピタキシー法(MBE法:Molecular Beam Epitaxy)を採用しております。このMBE法では、ヒ素、ガリウム、インジウム等の原料をセルで加熱し、その分子線を基板に到達させて結晶成長を行っております。この結晶成長が、宇宙空間と同等の極めて高い真空の炉の中で行われるため、純度の高い、原子のレベルで精密な半導体結晶を成長することができます。 |
3 |
単一モード発振特性 |
DFB(分布帰還型:Distributed Feedback)レーザの発振波長は単一モードになります。このレーザの波長特性を単一モード発振特性といっております。ファイバレーザの種光として利用される1064nm DFBレーザの単一モード特性は、希土類をドープした光ファイバの増幅波長に合わせるために使用されます。 |
4 |
DFBレーザ(モジュール) |
DFBレーザとはDFB(分布帰還型:Distributed Feedback)レーザの事で、半導体レーザ内部に回折格子を設けて、単一波長でレーザ発振することを可能としたレーザです。ファイバレーザの種光のように狭い波長域に光出力を集中させる必要がある用途に適します。モジュールはそのレーザをユニット化したものです。 |
事業内容
QDレーザは、レーザ技術を用いた製品の開発、製造、販売を行っている企業です。同社はレーザデバイス事業とレーザアイウェア事業の2つのセグメントで事業を展開しています。レーザデバイス事業では、独自の半導体結晶成長技術やレーザ設計技術を駆使し、精密加工用やデータ通信用など様々な用途に対応する半導体レーザ製品を提供しています。特に、量子ドットレーザは、温度安定性に優れ、高温でも動作するなどの特長を持ち、光通信やシリコンフォトニクス光源としての応用が進んでいます。
レーザアイウェア事業では、網膜投影技術を用いたメガネ型ディスプレイ「RETISSA Display」シリーズを開発・販売しています。この技術は、超小型レーザプロジェクタから網膜に直接映像を投影することで、視力やピント位置に影響されずに画像を見ることができるというものです。2022年度には、非メガネ型の新製品3機種の販売を開始しました。これらの製品は、ロービジョン(視覚障害)のある人々の視覚支援機器として、生活の質の向上に貢献することを目指しています。
同社の事業は、製品の企画・設計を自社で行い、製造は協力会社に委託するファブレス製造方式を採用しています。販売については、一般顧客向けには販売パートナーを通じて行い、法人顧客向けには直販及び代理店経由で行っています。
経営方針
QDレーザは、半導体レーザ技術を核とした製品の開発、製造、販売を手掛ける企業であり、その成長戦略は、技術革新と市場拡大に重点を置いています。同社は、「人の可能性を照らせ。」という経営理念の下、安全で豊かな生活、幸福と平和への貢献を目指しています。そのために、業界をリードする新製品の開発、顧客満足度の向上、信頼性の確立、品質向上、従業員のスキル向上を重点施策として掲げています。
同社の成長戦略の一環として、ファブレス製造方式を採用し、生産設備の固定費や資金流出を抑えつつ、需要の変動に柔軟に対応する生産体制を実現しています。また、幅広い波長領域のレーザの開発と量産化に取り組み、多様なアプリケーションへの対応を可能にしています。特に、量子ドットレーザの量産技術をシリコンフォトニクスに展開し、高速光デバイスの超小型化・低消費電力化を目指しています。
さらに、同社はレーザアイウェア事業において、網膜投影技術を応用した製品の開発に力を入れており、ロービジョンの方々の生活の質の向上に貢献することを目指しています。これに加え、眼の健康維持領域への展開も進めており、新しい機器の開発に取り組んでいます。
QDレーザは、マーケティングと営業体制の強化、新製品開発力の強化、水平分業提携先との協業体制の維持と発展、高品質・安定した製品の供給、適切なコーポレート・ガバナンスとIR体制強化を通じて、企業価値の継続的な向上を目指しています。これらの戦略的取り組みにより、同社は業界内での競争力を高め、持続可能な成長を達成しようとしています。