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グリーンズJP:6547
事業内容
グリーンズは、ホテル運営を主力とする専業オペレーターで、宿泊と料飲を中心としたサービスで収益を上げています。同社は米国系ブランドを核とする「チョイスブランド」と地域密着の「オリジナルブランド」の二本柱で全国にホテルを展開し、賃借運営を多く採用してアセットリスクを抑えつつ運営しています。
同社の主要顧客は出張客を中心としたビジネス利用のほか、ファミリー・カップル等のレジャー客やインバウンド、宴会・会議利用の地元法人・団体です。販売チャネルは公式サイトや旅行サイト(OTA)、旅行会社、法人契約など多岐にわたり、会員制度や価格最適化(レベニューマネジメント)で客室単価と稼働率の向上を図っています。
事業は単一の「ホテル事業」セグメントで、チョイスブランドは中間価格帯の宿泊特化型を中心に多くの店舗を展開し、オリジナルブランドは朝食や宴会場を備えたホテルなど地域ニーズに合わせた多様な施設を運営しています。付随事業としてホテル併設テナントの賃貸や不動産管理も行っており、これらの売上は全体に占める割合が小さい状況です。
経営方針
同社は中期経営計画「GREENS SUSTAINABLE JOURNEY 2028」を掲げ、2030年を見据えた持続的成長を目指しています。具体的には2028年6月期の目標として売上高600億円、営業利益70億円、経常利益69億円、親会社株主に帰属する当期純利益45億円、自己資本比率54%、ROE20%以上を目標に設定しており、短期的には2026年6月期に売上高532億円、営業利益65億円を見込んでいます。これらの数値目標を達成するため、出店ペースの加速と既存店舗の価値向上で収益基盤を強化する方針です。
同社は重点投資分野としてブランド別の価値向上と人的資本への投資を挙げています。差別化は米国系の中間価格帯ブランド(宿泊特化型)と地域密着のオリジナルブランド(朝食や宴会場を備えた施設)という二本柱で図り、レジャーブランドやロードサイド業態に重点を置いてブランド価値を高める施策を進めています。具体的には既存施設のリニューアル投資や宴会・料飲サービスの改善、会員制度強化と客室単価の最適化による収益性向上を通じて、価格に見合った顧客価値の提供を行っています。
同社は新市場開拓と事業拡大において積極的に出店を進めています。賃借運営を多く採用してアセットリスクを抑えつつ、需要の高い地域での新規開業を加速する戦略で、2026年6月期には茨城県水戸市、北海道札幌市、北海道千歳市の計3事業所の開業を予定しています。訪日客やレジャー需要の増加を取り込みつつ、法人向け会議・宴会需要にも対応することで地域密着型の売上拡大を図る計画です。
同社は技術革新により運営効率と顧客体験の両面を改善する取り組みを進めています。具体的には収益管理システムによる客室単価の最適化や公式サイト・オンライン予約の強化で直接販売比率を高めるほか、人手不足を補うための業務自動化や従業員向けのキャリア支援プラットフォームを導入します。加えて「環境にも人にも優しいホスピタリティ」を掲げ、省エネ設備や資源管理の投資を通じてコスト抑制と持続可能性の両立を目指しています。