タケダ機械JP:6150

時価総額
¥30.4億
PER
11.9倍
金属加工機械(鍛圧機械、工作機械、金型)の製造販売の有力企業。小型形鋼加工機、平板ドリル、H形鋼ドリル、丸鋸切断機、プレス金型、受託部品加工・組立の製品シリーズを連結子会社含む2社体制で展開。単一セグメント運営。

事業内容

タケダ機械は、機械メーカーとして鍛圧機械や工作機械、器具類および金型の製造・販売を主力事業としています。グループは同社と連結子会社の二社体制で、部品加工や組立などの受託生産も行っています。

主要な顧客は鉄骨や建築向け、一般産業の製造業などの法人で、機械本体や金型の販売と受託生産の受注が収益の中心を占めています。顧客毎の仕様に合わせた受注生産が売上に直結している点が特徴です。

事業は単一の「金属加工機械事業」セグメントで、製品は大きく形鋼加工機、丸鋸切断機、金型、受託生産の四系列に分かれます。具体的には形鋼の穴あけや切断、板金加工に対応する加工機やプレス用の専用・汎用金型、他社製品の部品加工・組立を取り扱っています。

経営方針

同社は成長戦略としてまず数値目標を掲げ、2026年5月期に売上高5,000百万円、経常利益350百万円を計画しています。直近の実績では売上高4,890百万円、経常利益441百万円であり、売上は前期比2.2%の増加を目指す一方で、原材料高や人件費上昇などコスト増の影響を踏まえ経常利益は減少見込みであり、利益率の改善と安定化が短期的な課題になっています。こうした環境を前提に、同社は売上拡大と損益改善の両面を重視し、収益性を高める経営体質の構築を目指しています。

同社は重点投資分野として製品開発と付加価値向上に資源を振り向けています。具体的には「省人化・省段取り」をテーマに年間2機種の新製品開発を推進し、客先仕様のカスタマイズ対応を強化することで競合との差別化を図っています。加えて製品にICT(情報通信技術)を取り入れた機能追加や保守サービスの拡充で稼働保証や遠隔診断などの付加価値を提供し、単なる機械の販売から稼働支援を含むソリューション提供へと収益構造を転換しようとしています。

同社は新市場開拓と事業拡大にも取り組んでいます。国内では老朽インフラの補強や物流・データセンター建設など需要が見込まれる分野に注力する一方、国内市場の長期的な縮小リスクに備えて海外販売網の拡充や加工領域を広げる製品開発を進めています。販売面では国内の代理店・販売店ルートと直接販売、海外では現地販売店や既存の代理店網を活用し、マーケティング力を高めて新規用途や顧客層の獲得を狙っています。

技術革新への取り組みでは、生産性向上と人材育成を両輪に据えています。社内ではICTを活用した業務改善や在庫適正化によるコスト削減を進め、OJTや資格取得支援などで技能継承と設計・製造力の底上げを図っています。環境面でも本社屋の太陽光発電導入実績を踏まえ、グリーントランスフォーメーションへの取り組みを視野に入れつつ、製品面では自動化や遠隔監視技術の導入で顧客の省力化ニーズに応えることを目指しています。