昭和鉄工JP:5953

時価総額
PER
空調機器、熱源機器、環境機器、鋳物製品の製造販売と工事請負の有力企業。空調機器、液晶パネル製造用熱処理炉、橋の欄干製品を展開。給排水衛生設備の請負工事、販売、メンテナンスを展開。2025年3月31日現在、連結子会社1社。

事業内容

昭和鉄工は、空調機器や熱源機器、環境製品、各種鋳物製品の製造販売と工事請負を主力とする企業です。同社は業務用の空調ユニットやボイラー、液晶パネル向けの熱処理炉、橋の欄干などの構造部材を手掛けています。

主要な顧客は建設会社や設備工事業者、製造業(パネルメーカーなど)、自治体や公共事業を担う発注者などで構成されています。同社の収益は製品販売と一括の請負工事が中心ですが、設置後の保守・取替などサービス収入もあり、そこが安定的なキャッシュフローに寄与しています。

事業は機器装置事業、素形材加工事業、サービスエンジニアリング事業の三つのセグメントに分かれています。機器装置事業では空調や熱源、環境機器の製造販売を、素形材加工事業では橋の欄干や鋳鉄・特殊鋳造品の製造販売を、サービスエンジニアリング事業では設備の施工・販売・保守・取替工事をそれぞれ担っています。

経営方針

同社は2023〜2025年の中期経営計画を通じて、売上高と収益性の同時改善を目指しています。最終年度となる2025年度の目標は当初の連結売上高145億円、連結営業利益7億6,500万円(営業利益率5.3%)でしたが、直近想定では連結売上高152億円、連結営業利益9億8,000万円(営業利益率6.4%)を掲げており、事業運営の見直しと収益率改善で成長を確実なものにしようとしています。

同社は重点投資分野として、省エネ・脱炭素に資する機器と生活・社会インフラ向けの製品開発に注力しています。具体的には業務用のエコキュートや高効率ヒーター、CO2冷媒を用いた外気処理機、機能差別化したIRセラミックヒーターや半導体向けの熱風循環炉などの開発を進めており、ここに生産ライン整備や量産化投資を行っています。差別化の源泉は140年以上の熱技術と現場でのモノづくり力、さらに製品販売に加え設置後の保守・チューニングといったライフサイクル提案で顧客に一貫した価値を提供できる点です。

新市場開拓では、ゼロエネルギービルへの適用や半導体関連の高付加価値機器、自治体や公共工事向けの橋梁用フェンスなど用途拡大を狙っています。特にライフサイクル型事業の推進を掲げ、顧客に対する省エネ診断や継続的なフォロー提案の強化、サービスエンジニアの育成により保守・取替といった安定したサービス収入を増やす計画です。また、スペース効率に優れる小型機の量産化などで建築・設備分野の需要取り込みを図っています。

技術革新面では、研究開発とデジタル化を連動させた取り組みを進めています。データ分析基盤の整備による生産工程と品質管理の高度化、製品のユニット化・標準化によるコスト低減、顧客ごとの要望に応じた電化・省エネのカスタム提案などが中心です。さらに人材面では社内アカデミーや階層別教育で技術継承と現場力強化を図り、技術開発とサービス提供の両輪で競争優位を高めることを目指しています。