㈱ティムスJP:4891

時価総額
¥59.7億
PER
医薬品開発事業を展開し、可溶性エポキシドハイドロラーゼを標的としたSMTP化合物の研究開発を行う創薬型バイオベンチャー企業。

事業内容

株式会社ティムスは、医薬品の研究・開発・製造・販売を行う「医薬品開発事業」の単一セグメントを持つ企業です。同社は、アカデミアなどの研究機関の成果を基にした医薬品候補物質の研究開発を行い、グローバル市場に展開する創薬型バイオベンチャー企業です。

ティムスは、可溶性エポキシドハイドロラーゼ(sEH)を標的とした医薬品候補物質であるSMTP化合物の研究開発を進めています。sEHを阻害することで抗炎症作用が得られることが分かっており、同社では様々な炎症性疾患を対象にsEH阻害剤の開発を進めています。

ティムスのリードパイプラインであるTMS-007は、sEH阻害による抗炎症作用に加え、プラスミノーゲンに作用することで血栓溶解作用も有しています。急性期脳梗塞を対象とした臨床開発が進められており、後続パイプラインのTMS-008は、様々な炎症性疾患を適応として開発が進められています。

同社のパイプラインには、TMS-007、TMS-008、TMS-009があり、これらはSMTP化合物のファミリーに属しています。SMTPは、黒カビの一種が産生する化合物とその誘導体からなる化合物群で、sEHの阻害作用に基づく抗炎症作用を持っています。

ティムスは、医薬品開発における研究段階から早期臨床段階までを自社で行い、後期臨床段階からは国内外の製薬会社と提携して開発製造販売権を付与し、提携先から開発一時金やロイヤリティ収入を得る事業モデルを採用しています。

経営方針

株式会社ティムスは、革新的な医薬品の開発を通じてアンメット・メディカル・ニーズの改善を目指しています。同社は、独自の作用機序に基づく新規化合物の開発に注力し、特に可溶性エポキシドハイドロラーゼ(sEH)阻害による抗炎症作用を持つ医薬品の研究を進めています。

ティムスは、グローバル市場での展開を視野に入れ、世界の主要市場に同時にアプローチする戦略を採用しています。これにより、開発費の回収を効率化し、国際的な医薬品規制の調和を活用して、先進国での同時開発を推進しています。

同社の成長戦略の一環として、TMS-007を中心に、急性期脳梗塞や急性腎障害を対象とした医薬品の開発を進めています。また、CORXELとの提携により、日本国内での事業化権を獲得したJX09の開発も進行中です。

ティムスは、アカデミアの創薬シーズを積極的に導入し、パイプラインを拡充することで、グローバルな医薬品市場への展開を図っています。これにより、日本の科学的ブレイクスルーとグローバル医薬品産業の橋渡しを目指しています。

同社は、製薬会社との提携を通じて開発リスクを低減し、契約一時金やマイルストーン収益を得る事業モデルを採用しています。これにより、開発の進展に伴う資金需要に対応し、財務基盤の安定化を図っています。

ティムスは、優秀な人材の確保と組織体制の強化を重視しています。専門分野を超えた自由な議論を促進する組織作りを進め、研究・製造・薬事・開発の各分野での専門性を活かしたチームを構築しています。