東海ソフトJP:4430

時価総額
¥85.8億
PER
9.7倍
ソフトウエア受託開発の有力企業。車載ECU、製造・流通業向けの制御ソフトやIoTパッケージ「FlexSignal」、DX手法「PlusFORCE」を展開。2020年5月期に「FlexSignal」製品化と「PlusFORCE」発表。国内を中心に展開。

事業内容

東海ソフトは独立系のソフトウエア開発会社で、受託開発と開発に関わる役務を主力としています。子会社や協力会社と連携して、車載や家電の組込み制御ソフト、工場や物流向けの監視・制御システム、業務系システムの開発を手掛け、IoT向けパッケージ「FlexSignal」やDX支援の「PlusFORCE」も展開しています。

同社の主要顧客は自動車メーカーや機器メーカー、製造業・流通業、さらに大手金融機関や省庁・自治体で、大手SIerのパートナーとして受注する案件も多くあります。収益は主に受託開発と必要に応じた要員派遣によるもので、長期・大規模プロジェクトによる安定収入と短期案件による売上平準化の組み合わせで成り立っています。

同社は事業を組込み関連、製造・流通及び業務システム関連、金融・公共関連の三分野に分けて運営しています。組込み分野では車載の電装制御やつながる車・自動運転・電動化などに注力し、製造・流通分野では生産ラインや物流の監視制御、IoT・AIの活用支援を行い、金融・公共分野では大規模プロジェクト向けの品質管理や情報セキュリティ対策を強化して受注拡大を図っています。

経営方針

同社は中期経営計画の下で「変革に挑み新たな安定と成長のステージへ」を掲げ、収益性の向上を明確な数値目標にしています。営業利益率10%以上、自己資本当期純利益率(ROE)10%以上を目指しており、高付加価値案件の受注拡大やプロジェクト管理・品質管理の強化を通じて利益率を高め、社員還元と株主還元を両立させる方針です。具体策としては、既存顧客との長期的な取引を維持しつつ、新規受注獲得のための技術者教育や採用を強化し、収益基盤の安定化と売上の平準化を図っています。

重点投資分野は組込みソフトウエアを軸に車載関連、製造・流通系の監視・制御システム、業務系システムの三分野です。特に車載の電装制御や自動運転・電動化に向けた車載ソフト開発、工場のDXに向けたIoTパッケージ「FlexSignal」やDX支援サービス「PlusFORCE」への投資を優先しています。同社は製造業向けに長年培った現場知識とワンストップの提案力を差別化要因と位置づけ、主要顧客と中核技術への「選択と集中」を進めることで高品質・高信頼なサービスの提供を目指しています。

新市場の開拓や事業拡大では、車載SPFを基盤とした車載関連開発へのシフトや関東地区への事業展開を明示しています。パッケージメーカーとの技術連携や協業を通じて新たな事業モデルを作り、公共分野ではデジタル行政への対応も狙いに入れています。人員面では新卒に加え第2新卒や中途採用を強化し、これらが年間採用の約25%を占めるまで拡充したほか、外注活用も拡大しており外注加工費は前期比で約22%増加し成長に寄与しています。加えてM&Aの実行により生産体制の強化を進めています。

技術革新への取り組みでは、人工知能(生成AI)や業務自動化ツール(RPA)、クラウド、自動搬送ロボットなどの先端技術を事業機会と捉え、社内での実証や活用を優先しています。具体的には社内導入による業務効率化をまず進め、その経験を顧客提案に横展開する方針です。併せて技術者のリスキリングやマルチスキル化に注力し、技術・品質・コストの三面で製造業の課題解決に貢献することで、持続可能性(SDGs)に資するソフトウエア開発を進めています。