サイプレス・ホールディングスJP:428A

時価総額
¥94.4億
PER
18.2倍
飲食事業の有力企業。主力ブランド「築地食堂源ちゃん」を中心に海鮮和食、回転寿司、炭火焼鳥などの直営業態を展開、豊洲の自社加工場を活用した仕入・加工体制を構築。36ブランド126店舗(2025年8月末時点)。東京23区中心に東北から九州まで展開。

事業内容

サイプレス・ホールディングスは、主に飲食店の直営経営を中心とする会社で、海鮮系の和食を軸に複数のブランドを展開しています。 同社は「築地食堂源ちゃん」を主力に、回転寿司や焼き鳥などを含む計36ブランドを、東京23区を中心に東北から九州まで直営126店舗(2025年8月末時点)で運営しています。

同社の顧客層はショッピングセンターでは家族連れ、路面店では会社員や地域住民と幅広く、年齢や性別を問わず利用されています。 収益は主に直営店舗の飲食売上が中心で、惣菜販売やケータリング、フランチャイズ展開や店舗運営支援といった副次的な収益もあります。

同社は事業を飲食事業の単一セグメントで行っており、主な製品ラインは築地食堂源ちゃん(海鮮丼・定食)、回転ずしABURI百貫(グルメ回転寿司)、炭火焼鳥銀座惣菜店などです。 店舗は路面型、都市複合型、ショッピングセンター・郊外型の三形態で展開し、豊洲をはじめ各地の市場から直送した鮮魚を自社加工場で処理して日替わりメニューを作る体制を整えています。 同ブランドの日替わりメニューは売上の約15%を占めており、新鮮さと価格の両立で集客につなげています。

経営方針

同社は直営の飲食事業を軸に、海鮮系和食の「築地食堂源ちゃん」を主力とする36ブランドを展開し、2025年8月末時点で直営126店舗を運営しています。売上収益は直近で年々回復しており、2023年8月期は8,816,622千円、2024年8月期は10,256,796千円と増加しています。経営判断の主要指標としてROICや既存店売上高成長率、EBITDAマージンを重視しており、既存店の収益力や投下資本の効率を高めることを成長の第一目標に据えています。

重点投資分野は既存店の磨き込みと人材への投資です。具体的には、主要ブランドごとに代表商品を整備し、日々の商品開発やメニュー改定を続けることで来店頻度と客単価を高める施策を進めています。鮮魚は各地の市場から直送し自社加工場で調理する体制を整備しており、日替わりメニューは売上の約15%を占めるなど「鮮度と価格の両立」で差別化を図っています。また待遇改善や外国人採用の強化、役職者育成によって人材の確保と定着を図っています。

新規出店と事業拡大では、郊外型ショッピングセンター(SC)や都市部の複合型施設への出店を重点に置いています。同社と取引のある主要ディベロッパーが保有する約850施設のうち出店実績はまだ約5%にとどまっており、今後は既存の取引先に加えて新たな不動産業者との接点を広げることで出店案件を増やす方針です。自社の業態開発力を活かして同一施設内で複数業態を展開することで効率的に店舗網を拡大するとともに、成長の加速に向けてシナジーが見込めるM&Aも積極的に検討しています。

技術革新や管理体制の強化にも取り組んでいます。外食市場で進むデリバリーや自動化といった技術変化を踏まえ、衛生・品質管理の強化(臨店チェックや外部衛生検査の実施)やコーポレートガバナンスの整備を進め、業務効率化や顧客接点の多様化に対応していく考えです。資金面では新規出店やM&Aに向け当面は負債を活用する一方、2024年8月時点のネット有利子負債比率が2.13倍である点を注視し、金利負担軽減のための契約見直しなどで財務の健全化を図る方針です。