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サイバーステップJP:3810
事業内容
サイバーステップはオンラインゲームの開発・運営と映像・音響を含むエンターテインメント事業を手掛ける企業です。同社は自社で作ったゲームを海外の運営会社にライセンス供与するとともに、自社でサーバーを立てて直接ユーザーにゲームを提供しています。
主要な顧客は海外や国内のゲーム運営会社とエンドユーザー、さらに映像制作の制作委員会や動画配信プラットフォーム上の視聴者層です。同社はライセンス契約時の契約金と、運営会社の課金に連動するロイヤリティー、自社運営ではアイテム課金による売上、エンタメでは音響制作の受注や制作委員会出資による分配や動画広告収入で収益を得ています。
事業はオンラインゲーム事業とエンターテインメント事業の二つに分かれ、オンラインゲーム事業はライセンス供与モデルと自社運営モデルの二本立てで展開しています。具体例としてはオンラインクレーンゲームの「トレバ」や「鬼斬」などのタイトル運営を行い、エンタメ面では映画・アニメの音響制作や声優プロダクション運営、VTuberなどの動画コンテンツ制作支援に注力しています。
経営方針
同社は研究開発を核に「世界中を楽しくするエンターテイメント」を目指しており、多タイトル展開・多国展開・マルチプラットフォーム対応を成長戦略の中核としています。収益性の指標として売上高経常利益率の改善と、株主価値の観点では1株当たり当期純利益(EPS)の向上を重視しており、自社開発・自社サービスによる新規タイトルの迅速な提供体制を整えることでこれらの指標改善を狙っています。
重点投資分野は既存サービスの収益性強化と新規タイトルの開発体制です。主力のオンラインクレーンゲーム「トレバ」では固定費削減、オリジナル景品の開発、プロモーション強化、定期的なキャンペーンや使い勝手の改善を実施し、併せてサブスクリプション化などで顧客層の拡大を図っています。映像・音響分野では音響制作や動画コンテンツ支援といった受注・出資型の収益源を維持し、社内での一貫した制作体制を差別化要因としています。
新市場開拓では、複数タイトルを同時並行で開発できる体制構築によりリリースまでの期間短縮と収益の安定化を目指しています。海外展開はライセンス供与による現地運営会社との連携と、自社でサーバーを立てて直接提供する自社運営の併用で進めており、アジア・欧米を含む地域でユーザー獲得を図る計画です。さらに新しい顧客層を取り込むため、スマート端末向けやブロックチェーンを活用したゲーム(NFTゲーム)など新領域への対応も視野に入れています。
技術革新への取り組みとしては、サーバー・ネットワーク基盤の強化やユーザー体験を高める機能改善を継続的に行い、新技術を持つ企業との戦略的連携を進めています。加えて、ゲームプランナーやプログラマー、デザイナー、運営担当などの人材確保と育成を重点課題と位置づけ、開発完了からサービス開始までの時間短縮とユーザーの声を迅速に反映する体制を整備することで、技術力と運営力の両面で競争優位を築こうとしています。