ジェイテックコーポレーションJP:3446

時価総額
¥91.9億
PER
46倍
光学部品のカスタムメイド製造、自動細胞培養装置の開発、昇温脱離分析装置の販売を手掛ける。

沿革

1993-12大阪コンピュータ工業株式会社との共同出資により、大阪府吹田市に資本金10,000千円で株式会社ジェイテック(現株式会社ジェイテックコーポレーション)を設立。
1994-07バイオ自動機器(自動細胞培養装置、薬効評価装置)を開発。
大阪中小企業投資育成株式会社より出資を受け、資本金を15,000千円に増資。
1997-07「完全表面創成のための高濃度スラリー精製システムの研究開発」が、科学技術振興機構(現国立研究開発法人科学技術振興機構、以下「JST」という。)の1997年度独創的研究成果育成事業に採択され、大阪大学(現国立大学法人大阪大学、以下「大阪大学」という。)と共同研究を実施。
2002-07「プラズマCVM法による超精密バリ除去・判定装置開発」が経済産業省の2002年度創造技術研究開発事業に採択され、大阪大学と共同研究を実施。
2004-01資本金を40,000千円に増資。
2004-08神戸市中央区に本社を移転。
2005-04大阪大学及び独立行政法人理化学研究所(現国立研究開発法人理化学研究所、以下「理化学研究所」という。)の研究成果をもとにX線ナノ集光ミラーの事業化を開始。
2005-08「タンパク質結晶化技術の開発」が2005年度兵庫県COEプログラム推進事業に採択され、研究を実施。
2005-12兵庫県知事より経営革新計画(X線集光ミラー)の承認を取得。
2006-02「硬X線ナノ集光用高精度楕円ミラーの実用化」が新技術開発財団の新技術開発助成に採択され、研究を実施。
2006-03「硬X線ナノ集光用高精度楕円ミラーの実用化」が中小企業基盤整備機構の中小企業・ベンチャー挑戦支援事業のうち事業化支援事業に採択され、研究を実施。
2006-09「放射光用超高精度形状大型ミラー製造技術の開発」が兵庫県の2006年度兵庫県COEプログラム推進事業に採択され、財団法人高輝度光科学研究センター(現在の公益財団法人高輝度光科学研究センター、理化学研究所の関連団体、以下「高輝度光科学研究センター」という。)、理化学研究所、大阪大学と共同研究を実施。
2006-12神戸市よりKOBEドリームキャッチプロジェクトによるX-KOBEに認定(X線集光ミラー)。
2007-01ひょうご産業活性化ファンド第2号投資事業有限責任組合(ひょうごキャピタル第2号ファンド)より出資を受け、資本金を65,000千円に増資。
2007-02大阪府茨木市(彩都あさぎ)に開発センターを開設。
2007-07「軟骨再生医療のためのGMP対応自動回転培養システムの構築」がJSTの2007年度科学技術振興機構大学発ベンチャー創出推進に採択され、独立行政法人産業技術総合研究所(現国立研究開発法人産業技術総合研究所、以下「産業技術総合研究所」という。)と共同研究を実施。
2007-09「放射光用超高精度形状大型ミラー製造技術の開発」が兵庫県の新産業創出支援事業(新製品・新技術:産学連携・事業連携)に採択され、研究を実施。
2009-09「放射光用ミラーに関する加工技術の高精度化」が経済産業省の2009年度補正予算事業戦略的基盤技術高度化支援事業に採択され、大阪大学と共同研究を実施。
「形成外科用自動細胞培養装置」が経済産業省の2009年度補正予算ものづくり中小企業製品開発等支援補助金(試作開発等支援事業)に採択され、研究を実施。
2010-04「X線ナノ集光ミラー製造プロセスに関する技術開発」がJSTの2010年度高度研究人材活用促進事業に採択され、研究を実施。
2011-02「放射光用ミラーに関する加工技術の高精度化」が経済産業省の2010年度予備予算事業戦略的基盤技術高度化支援事業加速枠に採択され、大阪大学と共同研究を実施。
2011-03「再生医療等に用いる大型軟骨組織を高効率に形成する細胞培養システムの開発」が経済産業省の2011年度第3次補正予算戦略的基盤技術高度化支援事業に採択され、大阪大学、産業技術総合研究所と共同研究を実施。
2012-05「放射光用X線ミラー製造の効率化のための加工及び計測技術の開発」が経済産業省の2011年度グローバル技術連携・創業支援補助金(一般枠)に採択され、大阪大学、OptiWorks株式会社と共同研究を実施。
2013-07「ナノ集光用焦点距離可変型ミラーの試作開発」が経済産業省の2012年度ものづくり中小企業・小規模事業者試作開発等支援補助金に採択され、大阪大学と共同研究を実施。
2014-06「iPS細胞等の3次元大量培養技術の開発」が経済産業省の2014年度戦略的基盤技術高度化支援事業に採択され、産業技術総合研究所、大阪大学と共同研究を実施。
2014-07「再生医療等に用いるヒト軟骨デバイスの実用化のための3次元細胞培養システムの開発・事業化」が京浜臨海部ライフイノベーション国際戦略総合特区の2014年度、2015年度医工連携事業化推進事業に採択され、横浜市立大学、産業技術総合研究所、大阪大学と共同研究を実施。
2014-10大阪府茨木市彩都やまぶき2丁目4番35号に新社屋を竣工し、同所に開発センターを移転。
2015-07「1m級長尺放射光X線ミラー用高精度成膜装置の開発」が経済産業省の2014年度補正ものづくり・商業・サービス革新補助金に係る補助金に採択され、研究を実施。
2015-09本社を大阪府茨木市彩都やまぶき2丁目4番35号に移転。
2015-12OUVC1号投資事業有限責任組合<通称:OUVC1号ファンド>(無限責任組合員:大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社)及びバイオ・サイト・キャピタル株式会社より出資を受け、資本金を139,240千円に増資。
2016-04大阪大学吹田キャンパス産学連携本部B棟内に細胞培養センターを開設。
2016-05商号を株式会社ジェイテックコーポレーションに変更。
2016-09「臨床試験を目指す3次元細胞培養システムを用いた革新的ヒト弾性軟骨デバイス創出」が国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の産学連携医療イノベーション創出プログラム(ACT-M)に採択され、横浜市立大学、地方独立行政法人神奈川県立病院機構神奈川県立こども医療センターと共同研究を開始。
2017-08「iPS細胞等幹細胞の高効率な継代作業を実現した3次元大量継代培養自動化技術の実用化開発」が経済産業省の2017年度戦略的基盤技術高度化支援事業に採択され、大阪大学と共同研究を実施。(2017~2019年度)
2018-02東京証券取引所マザーズに株式を上場。
2019-07大阪府茨木市彩都やまぶき2丁目5番38号に新社屋を竣工し、同所に本社/開発センターを移転。
2020-09東京証券取引所市場第一部に株式を市場変更。
2021-05電子科学株式会社の全株式を取得し、完全子会社化。
2022-04東京証券取引所プライム市場に株式を市場変更。
2023-07大阪大学内に大阪大学との共同研究部門を設立。

事業内容

ジェイテックコーポレーションとその子会社である電子科学株式会社は、3つの主要な事業セグメントを展開しています。これらは「オプティカル事業」、「ライフサイエンス・機器開発事業」、そして「その他事業」です。

オプティカル事業では、兵庫県の大型放射光施設「SPring-8」やX線自由電子レーザー施設「SACLA」などで使用される、1ナノメートル以下の超高精度の表面形状を持つ集光ミラー、高調波カットミラー、回折格子基板などのX線ミラーをカスタムメイドで設計、製造、販売しています。これらの製品は、大阪大学との共同開発により生まれた「OsakaMirror」として、世界中の研究者から高い評価を受けています。

ライフサイエンス・機器開発事業では、創薬スクリーニングに関連する細胞培養操作の自動化開発に取り組んでおり、大型自動細胞培養装置「CellMeister®」やiPS細胞向け自動細胞培養装置「CellPet®」の後継機種「MakCell®」などを製造販売しています。また、再生医療分野への展開や、半導体や電子部品の基材加工装置の開発も行っています。

その他事業として、電子科学株式会社は昇温脱離分析装置「TDS-1200Ⅱ」を製造販売しており、半導体や液晶、カラーフィルター業界などでの材料研究や品質管理に用いられています。この装置は、赤外線による加熱方式で微量に放出される成分を高感度でリアルタイムに検出することが可能です。

ジェイテックコーポレーショングループは、これらの事業を通じて科学技術イノベーションの創出に貢献し、産学連携を中心に技術開発、製品開発を推進しています。

経営方針

ジェイテックコーポレーションは、オプティカル事業、ライフサイエンス・機器開発事業、およびその他事業を展開しており、科学技術イノベーションの創出に貢献することを経営方針としています。同社は、独自の技術を活用して高品質な製品の提供と研究開発活動の強化に取り組んでおり、経営基盤の拡充と企業価値の向上を目指しています。

オプティカル事業では、放射光施設やX線自由電子レーザー施設向けの高精度ミラーの需要が増加しており、特に中国や欧州での市場開拓が順調に進んでいます。また、半導体や宇宙関連の光学部品への展開も進めており、高性能化と量産化速度の高い半導体分野への参入が重要な戦略となっています。

ライフサイエンス・機器開発事業では、半導体材料を対象としたナノ表面加工技術の商品化や、自動細胞培養装置の開発・販売を推進しています。特に、iPS細胞由来のヒト腸管オルガノイドの生成に成功したことが、国内外からの問い合わせ拡大につながっています。

その他事業では、電子科学株式会社が昇温脱離分析装置の需要拡大に対応し、新製品の企画・創出に注力しています。これにより、新規顧客の開拓と収益力の拡大を目指しています。

ジェイテックコーポレーションは、これらの成長戦略を通じて、科学技術イノベーションの創出に貢献し、持続可能な成長を目指しています。同社は、技術開発と製品開発において産学連携を重視し、市場のニーズに応える製品の開発に努めています。