パシフィックネットJP:3021

時価総額
¥101.3億
PER
16.2倍
ITサブスクリプション・ITAD・コミュニケーション・デバイス事業の有力企業。イヤホンガイドⓇの製造販売・保守サービスを展開。連結子会社2社を含むグループ体制。国内旅行関連市場でガイドレシーバーのシェア90%超の展開。

事業内容

パシフィックネットは、法人向けにパソコンやサーバー、タブレットなどのIT機器をレンタルし、運用管理や通信・クラウドといったITサービスをサブスクリプション型で提供する会社です。同社は機器の貸出と一体化した保守や運用を中心に、継続的な契約収入を得ています。

主要な顧客は企業や官公庁で、定額の契約が収益の柱になっています。同社は定期的なサービス料に加え、使用済み機器の回収・再販やリサイクル、機器販売・保守といった複数の収益源で事業を安定させています。

事業は大きくITサブスクリプション事業、ITAD事業、コミュニケーション・デバイス事業の三分野に分かれます。同社はITADで安全なデータ消去とリユース・適正処理を行い、高価値品は再販、再利用困難な機器は素材化してリサイクル業者に引き渡します。またコミュニケーション・デバイスでは観光向けのイヤホンガイドの製造・販売・保守を行い、国内で高い市場シェアを持っています。

経営方針

同社は持続的な企業価値の向上を経営目標に掲げ、売上高、営業利益、経常利益、EBITDA、ROEの5つを重要指標として経営管理を行っています。積極的な事業投資と財務の健全性の両立、利益成長に応じた株主還元の強化を目指しており、安定した定額収入を増やすことで長期的な収益基盤を築く方針です。特にITサブスクリプションを中心としたストック型収益の拡大と、ITAD事業による回収・再販・リサイクルの収益確保を最重要課題と位置づけています。

重点投資分野はインフラ整備とデジタル化の推進、具体的には設備投資やAI(人工知能)の活用による業務自動化と可視化、人的資本への投資です。人材面では採用とリスキリング、賃上げや従業員エンゲージメントの向上を通じてサービス品質を高める施策を進めています。差別化策としては、機器の貸出と保守・運用を一体提供するワンストップ体制と、安全なデータ消去や環境配慮を組み合わせたITADの高付加価値化で競合との差異化を図っています。

新市場開拓や事業拡大では、2025年10月のWindows 10サポート終了に伴うPC更新需要の拡大を重要な成長機会と見ています。更新期を機に法人・自治体向けにサブスクリプションと運用保守・業務代行を組み合わせたパッケージ提案を強化し、使用済み機器の回収から再販・リサイクルまでの一連サービスで二次収益を獲得する計画です。加えて、観光向けイヤホンガイド等のコミュニケーション・デバイス事業では国内の強みを活かし、新規顧客や海外展開も視野に入れて事業拡大を目指しています。

技術革新への取り組みとして、同社はデジタル化とAI導入で運用効率と顧客対応力を高めることを重視しています。具体的にはデータ消去の自動化や資産管理のデジタル化による在庫回転率の改善、クラウドや運用ツールの導入でヘルプデスクや保守の生産性を向上させる計画です。これらの投資と並行して人材のスキル向上を進めることで、収益性やEBITDAの改善、株主還元の拡大につなげることを目指しています。