ファーマライズホールディングスJP:2796

時価総額
¥63億
PER
22.3倍
調剤薬局事業の有力企業。調剤薬局を中心に化粧品販売、コンビニ・ドラッグストア運営、医学資料保管、医療モール運営を展開。平成21年6月1日の新設分割で持株会社化、令和7年4月1日に吸収合併あり。北海道のJR札幌駅を含む全国展開。

事業内容

ファーマライズホールディングス株式会社は持株会社として、調剤薬局の運営を中核に医療・介護・関連サービスを展開しています。同社は医療機関の処方に基づいて一般患者に医薬品を調剤するとともに、対面での服薬指導や薬剤に関する相談を主力サービスとしています。

主要な顧客は医療機関と一般患者で、薬局での調剤収入や医薬品・日用品の販売が収益の中心です。同社は店舗販売に加え、化粧品やコンビニ・ドラッグ店舗の運営、医療記録の保管や在宅・介護サービスなど複数の収入源を持っています。

事業は大きく調剤薬局事業、物販事業、医学資料保管・管理事業、医療モール経営事業、その他の医療関連サービスに分かれています。同社は複数の子会社を通じて薬局経営を行い、化粧品販売や紙カルテ・レントゲンフィルムの保管、札幌駅内の医療モール運営、医療系ITや人材派遣・職業紹介、訪問看護や高齢者向け施設運営などを手がけ、薬局事業との相乗効果で収益拡大を図っています。

経営方針

同社は「Make a Leap 2027」を中期経営計画とし、地域で選ばれる調剤薬局グループとしての地位確立を目指しています。最終年度となる令和10年(2028年)5月期の目標は、連結売上高700億円、営業利益16億円、当期純利益7億円、投下資本利益率(ROIC)4.5%と掲げており、将来の成長は既存基盤による現実的な伸長で達成する計画です。買収による不確実性を過度に織り込まず、まずは内部の体制整備と収益基盤の強化を優先して進めています。

重点的に投資する分野は薬剤師の機能強化と店舗運営の質向上で、教育プログラムの整備やリーダー育成に資源を振り向けています。同社は一人ひとりの薬剤師が「かかりつけ」として患者に寄り添うことを差別化の源泉と考えており、患者満足度の把握と向上、在宅医療や高齢者向けサービスとの連携を通じて、競合との差を築こうとしています。加えて、後発医薬品の安定供給体制や調剤過誤防止の委員会設置、個人情報管理の徹底など安全・信頼面への投資も重視しています。

事業拡大については、直近の買収でグループ入りした会社・店舗の早期統合(買収後統合=PMI)を優先し、それによって利益率や運営効率を引き上げた上で規模拡大に移行する計画です。同社は買収そのものを無条件に頼るのではなく、まずは本部業務の集約や資金管理のシステム化によるコスト削減で採算基盤を固めたうえで、物販や医療モール運営、訪問看護・介護サービス、医療系人材やITといった既存の関連事業を再構築・拡大し、薬局事業との相乗効果で収益を押し上げようとしています。

技術革新の取り組みとしては、デジタル化の組織体制を強化し、DX推進部への格上げとグループ内システム開発会社との連携により、オンライン服薬指導やオンライン資格確認、電子処方箋の運用開始といった医療のデジタル化に対応しています。店舗業務や本部業務の自動化・システム化を進めることで運営コストを下げるとともに、サイバーセキュリティ対策を強化して安全性を担保し、次世代の薬局像構築を目指しています。