カチタスJP:8919

時価総額
¥2273億
PER
19倍
中古住宅を調査・仕入れ・リフォームし、販売する「中古住宅再生事業」を展開し、全国149店舗で運営。

事業内容

カチタスは、中古住宅再生事業を主な事業セグメントとして展開しています。この事業は、全国に149店舗(2025年3月31日時点)を持ち、地域に根ざした形で中古住宅を調査、仕入れ、リフォーム、販売までを一貫して行っています。カチタスは、累計販売件数9万件以上の実績を持ち、2025年3月期には7,372件の物件を販売しました。

カチタスは、「買取仕入」と「競売仕入」の2つの方法で中古住宅を仕入れています。特に「買取仕入」に注力しており、2025年3月期には仕入件数の98.3%を占めています。買取仕入では、物件の内覧を行い、適切な評価を基に仕入価格を決定します。また、リフォーム協力会社と白蟻調査会社と共に立会検査を実施し、品質の向上と収益性の向上を図っています。

リフォームにおいては、カチタスはキッチンやトイレなどの水回り交換、壁紙や床の張替え、外壁塗装などを行い、清潔で快適な中古再生住宅を提供しています。リフォーム工事の品質を確保するため、リフォーム協力会社との関係を強化し、資材コストや施工コストの削減にも取り組んでいます。

販売は「自社販売」と「仲介販売」の2つの方法で行われています。自社販売では、カチタスのホームページや不動産ポータルサイトを通じて直接買主にアプローチします。仲介販売では、不動産仲介会社を通じて販売を行い、全国的に幅広い顧客にアプローチしています。2025年3月期には、販売件数の55.2%が自社販売、44.8%が仲介販売でした。

カチタスは、地方都市の築20年~築40年の古い戸建住宅を中心に取り扱い、耐久性の確保や見栄えの向上を目的にリフォームを行っています。人口5万人から30万人規模の地方都市をターゲットエリアとし、競合他社が進出しにくい市場で事業を展開しています。全国135店舗を通じて物件仕入ルートを確保し、地域に密着した営業活動を行っています。

リプライスは、都市郊外の比較的築年数の浅い中古住宅を取り扱い、簡易的なリフォームを行って販売しています。築10年~30年の住宅を多く取り扱い、リフォーム工事の期間を短縮化して在庫回転率を向上させるビジネスモデルを確立しています。人口30万人から50万人の三大都市圏の郊外や地方都市の中心部をターゲットエリアとしています。

経営方針

カチタスは、「日本で一番、ひとびとの暮らしを豊かにする会社」を目指し、2035年までに年間販売件数2万件を達成することを中間目標としています。この目標に向けて、第4次中期経営計画(2026年3月期から2028年3月期)を策定し、2025年5月に発表しました。

カチタスは、少子高齢化や都市への人口集中により増加する空き家問題を背景に、低価格で高品質な住宅の需要が高まっていると判断しています。この環境下で、同社は急速な成長を志向せず、安定的に良質なリフォーム済み中古住宅を供給する能力を拡充することを重要な課題としています。

第4次中期経営計画では、「家を売るならカチタス。家を買うならカチタス」という世界観を実現するため、年間販売件数1万件を目指しています。また、営業利益200億円、ROE20%以上、配当性向50%以上を掲げ、資本効率性を意識した経営を推進しています。

基本戦略として、営業人員数の増加と育成強化、生産性の向上、リフォーム企画の多様化、仕入チャネルの多様化、M&A、リプライスの収益安定性向上を挙げています。これにより、国内における中古住宅の取扱可能エリアを拡充し、事業成長を図ります。

カチタスは、サステナビリティ経営を重視し、中古住宅再生事業を通じてCO2排出量や木材使用量を抑え、環境保護に寄与しています。また、地方都市の空き家問題解決や地域活性化に貢献し、持続可能な成長を目指しています。

人材の確保と育成も重要視しており、全国的に優秀な人材を採用し、社内教育や研修制度を充実させています。これにより、従業員の能力向上を促し、事業成長を支える体制を強化しています。

カチタスは、金融機関との良好な関係を維持し、安定的な資金調達を図っています。また、内部管理体制とコンプライアンスの強化を進め、適切な経営を行うための体制を整えています。