オーケーエムJP:6229

時価総額
¥83.4億
PER
12.9倍
建築や発電、造船など多様な業界向けにバタフライバルブを中心とした流体制御機器の製造・販売を行う企業。

事業内容

オーケーエムは、流体制御機器の製造と販売を主な事業としています。特に、建築、発電、造船、各種プラントなどの幅広い業界で使用されるバタフライバルブを中心に取り扱っています。同社は、OKM VALVE(M)SDN.BHD.と奥村閥門(江蘇)有限公司という連結子会社を持ち、これらの企業と共に事業を展開しています。

オーケーエムの事業は「陸用」と「舶用」の2つの市場区分に分かれています。「陸用」では、工場や建築市場のニーズに応じた製品を提供し、「舶用」では、船舶市場での実績を基に環境対策製品を販売しています。特に、舶用製品は国際海事機関(IMO)の規制に対応した排気ガス処理装置用バルブの製造販売で高い評価を得ています。

同社の製品は、空調設備、造船、半導体、石油、化学、鉄鋼、電力、水道、食品など多岐にわたる業界で使用されています。例えば、大阪の超高層ビル「あべのハルカス」では、すべての空調設備にオーケーエムのバルブが採用されています。これにより、同社の製品は高層ビルや工場、空港、船、駅、ドーム、遊園地などで広く利用されています。

オーケーエムの主な製品には、バタフライバルブ、ナイフゲートバルブ、ピンチバルブがあります。バタフライバルブは、省スペースでの設置が可能で、流量調整に優れています。ナイフゲートバルブは、スラリーや固形物などの流体を止めることができ、ピンチバルブは固形物が混入しても完全に遮断できる特性を持っています。

同社は、顧客のニーズに応じたカスタマイズバルブの開発・製造・販売を行い、標準製品では対応できないニッチ市場を開拓しています。型式、サイズ、部品、材質、制御方法の組み合わせにより、10万種類を超える製品を提供しています。これにより、顧客の多様な要求に応えることが可能です。

オーケーエムは、新製品開発にも力を入れており、滋賀県野洲市に研究開発センターを開設しました。このセンターでは、脱炭素化や環境規制に対応するための試験室を設置し、産官学との連携を強化しています。これにより、流体制御に関する研究開発体制の強化を目指しています。

経営方針

オーケーエムは、「いい流れをつくる。」をパーパスに掲げ、中長期ビジョン「Create200」を策定しています。このビジョンでは、2030年度に連結売上高200億円、営業利益20億円の達成を目指し、持続的な企業価値の向上に取り組んでいます。

同社は、2025年5月に「第2次中期経営計画」を発表しました。この計画は「Create200」の第2フェーズとして位置づけられ、売上拡大に加え、収益性にも重点を置く経営への転換を図っています。注力領域の選別や資源配分の最適化を通じて、変革から成長への移行を目指しています。

オーケーエムの基本戦略は3つあります。まず、既存領域の拡充では、脱炭素関連製品と高付加価値化で国内市場を深掘りし、技術営業力の強化を図ります。次に、海外市場の展開では、船舶排ガス用バルブやLNG用バルブを軸にグローバル展開を加速します。

さらに、新領域への挑戦として、バルブ技術の応用領域拡大とDX推進、IoT活用サービス事業化を進め、新たな収益の柱を創出します。これにより、事業ポートフォリオの多角化を図り、持続的な成長を目指します。

財務目標として、第2次中計最終年度に連結売上高132億円、営業利益率10%以上、ROE8~10%を掲げています。これにより、安定的な収益基盤の構築と企業価値の向上を図ります。