三菱マテリアルJP:5711

時価総額
¥4116.9億
PER
20.5倍
銅・金・銀などの製錬・販売、環境リサイクル、銅加工品・電子材料の製造・販売、超硬製品の製造・販売、再生可能エネルギー事業。

事業内容

三菱マテリアルは、多様な事業セグメントを持つ企業です。主な事業には、金属事業、高機能製品、加工事業、再生可能エネルギー事業、セメント事業、エンジニアリング、その他の事業があります。これらの事業を通じて、同社は幅広い製品とサービスを提供しています。

金属事業では、三菱マテリアルは銅、金、銀、鉛、錫、パラジウムなどの製錬と販売を行っています。関連会社の小名浜製錬やインドネシア・カパー・スメルティング社も製錬業を営んでいます。また、家電リサイクル事業も展開しており、東日本リサイクルシステムズがその役割を担っています。

高機能製品セグメントでは、三菱マテリアルとその子会社が銅加工品や電子材料を製造・販売しています。三菱マテリアル電子化成は化成品を製造し、三菱電線工業はシール部品や銅製品を取り扱っています。これにより、幅広い産業分野に対応した製品を提供しています。

加工事業では、三菱マテリアルとその子会社が超硬製品を製造・販売しています。MOLDINOや日本新金属、エイチ・シー・スタルク・ホールディング社がこの分野で活躍しています。さらに、米国三菱マテリアル社やMMCハードメタルヨーロッパ社も超硬製品を販売しています。

再生可能エネルギー事業では、三菱マテリアルとその関連会社が地熱・水力発電を行っています。安比地熱や湯沢地熱がこの分野での主要なプレイヤーです。これにより、持続可能なエネルギー供給を目指しています。

その他の事業には、セメント事業やエンジニアリングがあります。UBE三菱セメントがセメント事業を展開し、三菱マテリアルテクノが土木・建設工事を請け負っています。また、三菱マテリアルトレーディングが資材供給や購買代行を行っています。

経営方針

三菱マテリアルは、2023年度から2030年度までを対象とする中期経営戦略「中経2030」を掲げています。この戦略は、「人と社会と地球のために」という企業理念のもと、「循環をデザインする」というビジョンを持ち、持続可能な社会の実現を目指しています。特に、金属資源の循環を強化し、バリューチェーン全体での成長を図ることに注力しています。

中経2030は、2023年度から2025年度までのPhase1と、2026年度から2030年度までのPhase2に分かれています。Phase1では、プロダクト型事業を中心にコスト競争力を強化し、利益成長と収益性の改善を進めます。また、資源循環などの中長期の成長領域への投資も実行します。2025年度には、売上高1兆9,400億円、営業利益700億円を目指しています。

三菱マテリアルは、成長投資として2030年度までに5,600億円を計画しています。特に、循環型社会への貢献として鉱山投資やタングステン事業に2,500億円、高機能製品や加工事業の競争力強化に2,800億円を投資します。また、地熱発電事業強化など脱炭素社会への貢献に300億円を投じる予定です。

株主還元については、2023年度から2025年度の期間において配当性向30%を目途に利益還元を行います。自己株式取得についても、キャッシュ・フローの状況や株価を考慮し、機動的に行う方針です。これにより、株主に対する利益還元を経営の重要目的の一つとしています。

三菱マテリアルは、事業ポートフォリオ経営を通じてROIC改善を目指し、成長性と収益性の2軸で事業を管理します。金属事業と環境リサイクル事業の統合による効率化を図り、事業価値の向上を加速させます。また、コスト競争力強化により、Phase1で約90億円のコスト削減を計画しています。

カーボンニュートラルの実現に向け、三菱マテリアルは2030年度までに温室効果ガス排出量を2020年度比で47%削減することを目指しています。さらに、2045年度までにカーボンニュートラルを実現し、2050年度までに再生可能エネルギー由来の電力自給率100%を目指します。

三菱マテリアルは、持続可能な社会の実現に向けた重要課題(マテリアリティ)を特定し、資源循環の推進や地球環境問題への対応を強化しています。また、人的資本の強化や情報セキュリティの強化、持続可能なサプライチェーンマネジメントの強化など、多岐にわたる重点テーマに取り組んでいます。