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ノイルイミューン・バイオテックJP:4893
沿革
2015-04 | 東京都中央区において国立研究開発法人国立がん研究センター(以下、国立がん研究センター)及び国立大学法人山口大学(以下、山口大学)発のベンチャー企業として設立 |
2015-09 | 山口大学とCAR-T細胞療法に関する共同研究契約を締結 国立がん研究センターとCAR-T細胞療法に関する共同研究契約を締結 |
2015-10 | 山口大学より次世代型CAR-T細胞プラットフォーム技術に関する第三者へのサブライセンス権付き独占実施許諾を取得 |
2017-08 | 武田薬品工業株式会社(以下、武田薬品)(※1)と共同研究開発に関する提携 |
2018-12 | 武田薬品とNIB102及びNIB103導出に関するライセンス契約を締結 |
2019-03 | 東京都港区に本店移転 |
2019-08 | Adaptimmune Therapeutics plc(※2)と共同開発に関する契約を締結 |
2019-11 | Autolus Therapeutics plc(※3)とライセンス契約を締結 |
2020-07 | 武田薬品がNIB102の第Ⅰ相臨床試験を開始 |
2021-12 | 武田薬品がNIB103の第I相臨床試験を開始 |
2022-01 | 自社パイプラインNIB101の第I相臨床試験を開始 |
2022-08 | 中外製薬株式会社(以下、中外製薬)とPRIME技術に関するライセンス契約を締結 |
2023-06 | 東京証券取引所グロース市場に株式を上場 |
事業内容
ノイルイミューン・バイオテックは、がんを克服できる社会の創生に貢献することを理念として、独自技術を活用した固形がんに対するCAR-T細胞療法の開発を主たる事業領域としています。固形がんに対する安全かつ有効な治療薬の開発は世界的に求められており、同社は山口大学及び山口TLOから導入したPRIME技術を応用したCAR-T細胞療法を通じてこの課題を克服することを目指しています。PRIME技術は、投与するCAR-T細胞だけでなく患者の体内の免疫細胞を活性化させることで優れたがん治療効果を期待できるプラットフォーム技術です。
同社は、自社創薬に加えて、PRIME技術を他社にライセンスして医薬品開発を進める共同パイプラインの2つの事業モデルを有するハイブリッドビジネスモデルを構築しています。これにより、PRIME技術の市場展開や周知を加速化し、早期の収益確保を図ると同時に、長期的には自社創薬により大型の販売収益を確保することで、事業全体のリスク分散と持続可能な成長を目指しています。
がん免疫療法創薬事業は、日本国内においてがんの死亡数と罹患数が増加し続けており、がんに対する効果的な治療法の開発や普及は重要な社会的課題です。特に、固形がんに対する治療法の開発は、がん治療薬市場に大きな影響を与えると考えられています。同社は、PRIME技術を搭載したCAR-T細胞療法を「PRIME CAR-T細胞療法」と称し、固形がんの治療に対する可能性を示しています。
経営方針
ノイルイミューン・バイオテックは、がん治療とがん免疫療法の分野で革新的なアプローチを推進しています。同社は、独自のPRIME技術を核とした治療法の開発に注力し、がんを克服できる社会の実現を目指しています。この技術は、CAR-T細胞療法において、投与されたCAR-T細胞だけでなく、患者自身の免疫細胞を活性化させることで、がんに対する効果的な治療を可能にするものです。
同社の成長戦略は、自社創薬と共同パイプラインの二つの柱に基づいています。自社創薬では、NIB101の第Ⅰ相臨床試験を進めるなど、独自のCAR-T製剤の開発に力を入れています。一方、共同パイプラインでは、国内外の大手製薬企業との提携を通じて、PRIME技術のライセンス提供や共同開発を進め、技術の第三者評価の確立やリスク分散を図っています。
また、同社は、固形がんに対する次世代細胞療法の研究開発にも注力しており、技術、創薬、製造、人材の確保と定着に継続的に投資しています。これにより、固形がん治療の領域でのプレゼンスの向上と確立を目指しています。
さらに、知的財産権の保護にも力を入れており、事業の運営及び拡大に必要な特許権等の知的財産権を国内外で適時適切に出願及び登録することで、知的財産権の最大化を図っています。
ノイルイミューン・バイオテックは、これらの戦略を通じて、早期の収益確保と長期的な大型の販売収益の確保を目指し、事業経営におけるリスク分散及びサステナブルな事業成長を実現することを目標としています。