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室町ケミカルJP:4885
事業内容
室町ケミカルは医薬品原薬、健康食品、化学品の三本柱で事業を展開する企業です。同社は原薬の輸入・合成・精製や検査、スティックゼリーなどの健康食品の企画・受託製造、イオン交換樹脂や分離膜を使った水処理製品や各種受託加工を行っています。
同社の顧客は国内の製薬会社や医薬品商社、健康食品の通信販売会社やメーカー、化学メーカーや機械メーカーなど幅広くなっています。海外から原料を調達して自社で加工・分析する体制を持ち、製品販売に加えて受託加工や装置・資材の販売で収益を積み上げる構造です。
事業は医薬品事業(原薬の販売・製造・精製やラジオアイソトープの取り扱い)、健康食品事業(ODMによるスティック・パウチゼリーの企画・製造)、化学品事業(イオン交換樹脂や分離膜の販売・再生、純水装置の設計・製造、アミノ酸精製やAdBlue®製造などの受託加工)に分けて展開しています。分析・試験設備や加工設備を社内に備え、用途に応じた素材選定や加工で付加価値を高める点が同社の強みです。
経営方針
同社は健康食品事業からの撤退(2026年5月を目途)により経営資源を「医薬品」と「化学品」の二本柱に集中させ、持続的な成長を目指しています。長期的には2032年5月期に売上高100億円、営業利益率10%以上を目標として掲げており、短中期では『中期経営計画2028』で2028年5月期の売上高7,200百万円以上、営業利益360百万円以上、EBITDA650百万円以上、自己資本利益率(ROE)10%以上を目標に設定しています。財務面では自己資本比率の確保(直近46.6%)や安定配当の維持を重視し、資本効率と財務健全性の両立を図っています。
重点投資分野は製造力と品質管理の強化であり、同社は設備投資や自動化装置の導入を通じて安定供給とコスト低減を図っています。医薬品では原薬調達の多地域化でカントリーリスクに備え、製造ラインや検査体制を充実させることで新規開発案件の立ち上げを確実に進める方針です。化学品分野では液体処理技術やイオン交換樹脂を活かした用途開発に注力し、社内での素材選定・分析・加工を強みに差別化を図っています。
新市場開拓では海外展開と提携を軸に据えています。同社は海外の樹脂メーカー等との共同開発を積極化し、水処理など社会課題に対応する用途を開拓するとともに、海外市場を含む新たな販売チャネルの拡大を進める計画です。健康食品事業の撤退で確保した人員や工場スペースを製造能力増強や医薬品関連の受託案件に振り向け、受託製造や装置・資材販売の拡大で収益基盤を強化します。
技術革新への取り組みとしては研究開発と生産技術の両面で投資を続け、分析・試験設備の充実や立ち上げ工程の標準化で新製品を迅速に市場投入できる体制を整えています。自動化や生産効率化により品質を安定化させる一方、人材面では採用・育成・評価制度の整備で技術力と現場力の底上げを図り、提携先との共同研究を通じて技術移転とスピード感ある製品化を目指しています。