キャンバスJP:4575

時価総額
¥230.5億
PER
抗がん剤の基礎研究、早期・後期臨床開発に特化した創薬企業。CBP501やCBS9106などの開発パイプラインを有し、新規候補化合物の創出にも注力。

沿革

2000-01新規抗がん剤の研究開発を目的として愛知県豊田市に設立
2001-01静岡県沼津市大岡の静岡県沼津工業技術センター付設インキュベーション施設内に研究所を開設
2002-04本社・研究所を静岡県沼津市通横町に移転、動物実験施設を静岡県沼津工業技術センター内に開設
2003-01オリジナルペプチドTAT-S216を最適化した抗がん剤候補化合物CBP501について特許出願
2005-02CBP501単剤の臨床第1相試験開始申請を米国食品医薬品局(FDA)が承認
2005-05CBP501単剤の臨床第1相試験を米国で開始(終了済)
2006-02米国特許庁よりCBP501にかかる物質特許を取得
2006-10CBP501と従来型抗がん剤シスプラチンの併用による臨床第1相試験を米国で開始(終了済)
2007-03CBP501とそのバックアップ化合物について、武田薬品工業株式会社と共同事業化契約を締結
2007-11日本国特許庁よりCBP501にかかる物質特許を取得
2008-04当社の薬剤スクリーニング法によって見出された抗がん剤候補低分子化合物CBS9100シリーズについて特許出願
2008-05CBP501・シスプラチン・細胞傷害性抗がん剤ペメトレキセドの3剤併用臨床第1/2相試験の第1相パートを米国で開始(終了済)
2008-08欧州特許庁よりCBP501にかかる物質特許を取得
2008-11CBP501・シスプラチン・ペメトレキセドの3剤併用臨床第1/2相試験の第2相パート(対象:悪性胸膜中皮腫)を米国で開始(終了済)
2009-06CBP501・シスプラチン・ペメトレキセドの3剤併用臨床第2相試験(対象:非小細胞肺がん)を米国で開始(終了済)
2009-09東京証券取引所マザーズ市場に株式上場
2010-06CBP501とそのバックアップ化合物にかかる武田薬品工業株式会社との共同事業化契約を解消
2010-09本社・研究所・動物実験施設を静岡県沼津市大手町に移転・集約
2011-12米国特許庁よりCBS9106にかかる特許を取得
2014-10日本国特許庁よりCBS9106にかかる特許を取得
2014-12CBS9106について、Stemline Therapeutics, Inc.(以下「Stemline社」)とライセンス契約(当初、日本・中国・台湾・韓国を除く全世界対象。2018年8月に修正。)を締結
2015-12米国特許庁よりCBP501にかかる用途特許を取得
2016-05CBS9106、臨床第1相試験(対象:固形がん)を米国で開始(終了済)
2016-06欧州特許庁よりCBS9106にかかる特許を取得
2017-10CBP501・シスプラチン・免疫チェックポイント阻害抗体ニボルマブの3剤併用臨床第1b相試験を米国で開始(終了作業中)
2018-08CBS9106についてStemline社とのライセンス契約を修正し、対象地域を日本・中国・台湾・韓国を含む全世界に拡大
2018-09日本国特許庁よりCBP501にかかる用途特許を取得
2019-10欧州特許庁よりCBP501にかかる用途特許を取得
2021-12CBP501・シスプラチン・ニボルマブの3剤併用臨床第2相試験を米国で開始
2022-04東京証券取引所の市場区分の見直しにより、東京証券取引所のマザーズ市場からグロース市場に移行
2023-06日本国特許庁よりIDO/TDO阻害剤にかかる特許を取得

事業内容

キャンバスは、抗がん剤の開発に特化した創薬企業であり、基礎研究から臨床開発までを手がける医薬品事業を単一セグメントとしています。同社は、特定のがん治療領域に焦点を当て、独自の創薬エンジンを用いて新薬候補化合物の探索、選別、最適化、前臨床試験、そして臨床試験の各段階を進めています。その基本戦略として、自社独自の創薬アプローチに特化集中し、複数の医薬品候補化合物を用いて開発パイプラインを構築。また、外部専門機関や科学顧問団との協力を通じて、開発リスクの分散と企業価値の最大化を目指しています。

主要な開発パイプラインには、CBP501とCBS9106が含まれます。CBP501は、蛋白質カルモジュリンの制御機能を調整し、免疫系抗がん剤との併用により薬効を高めることが期待される抗がん剤です。現在、膵臓がんを対象とした第2相臨床試験を実施中です。一方、CBS9106は、可逆的CRM1阻害剤であり、全世界における独占的権利を米国のStemline Therapeutics, Inc.に供与するライセンス契約を締結しています。Stemline社は現在、第1相臨床試験を完了し、次相臨床試験の計画を進めています。

さらに、キャンバスは新規候補化合物の創出にも注力しており、CBP-A08、CBT005、IDO/TDO阻害剤など、新しいコンセプトから創出された化合物の開発に取り組んでいます。これらの活動は、同社の長期的な目的である新薬の承認獲得と収益獲得に向けたものです。

キャンバスは、製薬企業との戦略提携や外部機関との連携を通じて、創薬プロセスの各段階でのリスク分散と効率化を図り、中長期的な企業価値の向上を目指しています。

経営方針

キャンバスは、独自の創薬エンジンを駆使し、がん治療薬の開発に特化した創薬企業です。同社は、新薬開発のターゲットとして有望ながん領域に注力し、特に臨床上の治療満足度に改善の余地がある分野での抗がん剤開発を推進しています。その戦略の一環として、CBP501の開発に力を入れており、この化合物は免疫チェックポイント阻害抗体との併用により薬効が増強されることが期待されています。

同社は、創薬エンジンの改良と充実にも注力しており、新規化合物パイプラインの獲得を目指しています。これまでに、正常細胞とがん細胞の細胞分裂過程の違いに着目した独自の細胞表現型スクリーニングを中心に、複数の抗がん剤候補化合物を創出してきました。また、がん免疫やがん幹細胞などの個別の作用に着目した新たな候補化合物創出にも取り組んでいます。

資金調達に関しては、開発プロジェクトの進展や開発ポートフォリオの拡充に伴う資金需要に対応するため、製薬企業との戦略提携や新株発行等による資金調達を実施しています。これらの取り組みは、キャンバスが長期にわたり競争力を保ち、企業価値を最大化するために不可欠です。

キャンバスは、創薬プロセスの各段階でのリスク分散と効率化を図り、中長期的な企業価値の向上を目指しています。そのために、製薬企業との戦略提携や外部機関との連携を積極的に進めており、これらの活動が同社の成長戦略の核となっています。