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KHネオケムJP:4189
沿革
1966-11 | 協和醱酵工業㈱(現 協和キリン㈱)の化学品製造子会社として大協和石油化学㈱の誘導品部門を分離して協和油化㈱を設立(資本金10億円、東京都千代田区) |
1970-04 | 四日市工場霞ヶ浦製造所が完成しプロピレンを原料とするオキソ法により「ブチルアルデヒド」等の製造を開始 |
1991-07 | 日本オキソコール㈱を吸収合併したことで生産拠点に千葉工場(千葉県市原市)が加わる。千葉工場ではオキソ法により高級アルコール等を製造しており、その製造技術を継承 |
2000-04 | 三菱化学㈱(現 三菱ケミカル㈱)との合弁により各種可塑剤の製造及び販売を目的として㈱ジェイ・プラスを設立 |
2002-12 | 四日市工場が無災害記録の業種別最長記録を樹立(有機化学工業製品製造業) |
2004-04 | 協和醱酵工業㈱の化学品事業部門を吸収分割により承継すると共に商号を協和発酵ケミカル㈱に変更し、本店を東京都中央区へ移転 協和醱酵工業㈱が保有していた黒金化成㈱(現 連結子会社)、㈱黒金ファインズ(現 連結子会社)の株式も承継し、両社が関係会社となる |
2007-07 | 協和醱酵工業㈱からの株式譲受により Kyowa Hakko Industry (Singapore) Pte. Ltd.(後のKH Neochem Singapore Pte. Ltd.、2021年に清算)が関係会社となる |
2007-12 | 四日市工場が無災害記録の当時の業種別最長記録を更新(2,342万時間、有機化学工業製品製造業) |
2010-01 | 協和発酵キリン㈱(現 協和キリン㈱)からの株式譲受によりミヤコ化学㈱及び柏木㈱が関係会社となる |
2010-12 | 協和発酵ケミカル㈱の全株式の取得及び合併を目的としてケイジェイホールディングス㈱を設立(資本金25千円、東京都中央区) |
2011-01 | ミヤコ化学㈱が柏木㈱を吸収合併 米国における化学品の販売等を目的として米国イリノイ州において Kyowa Hakko Chemical Americas, Inc.(現 KH Neochem Americas, Inc.)を設立 |
2011-03 | 日本産業パートナーズ㈱が管理・運営するファンドや機関投資家等を引受先とする第三者割当増資を実施(資本金120億円) 協和発酵キリン㈱(現 協和キリン㈱)から協和発酵ケミカル㈱の全株式を取得 |
2011-04 | 中国における化学品の販売等を目的として中国上海市において晟化(上海)貿易有限公司を設立 |
2011-06 | 当社が協和発酵ケミカル㈱を吸収合併すると共に商号を協和発酵ケミカル㈱に変更 |
2012-04 | 商号をKHネオケム㈱に変更 |
2015-05 | ミヤコ化学㈱の全株式を蝶理㈱へ売却 |
2015-07 | 合弁会社(曄揚股份有限公司)への投資を目的として英国ロンドン市において KH Neochem U.K. Ltd.を設立(2022年に清算) |
2015-09 | 台湾中油股份有限公司及び兆豊國際商業銀行股份有限公司との合弁によりイソノニルアルコール等の製造及び販売を目的として曄揚股份有限公司を設立(2020年に清算) |
2016-10 | 東京証券取引所市場第一部に上場 |
2019-05 | 本社を現在地に移転 |
2019-10 | 研究開発拠点として神奈川県川崎市において「KH i-Lab(KH Neochem innovation Laboratory)」を開設 |
2022-04 | 東京証券取引所市場区分見直しにより市場第一部からプライム市場に移行 |
2024-03 | 監査役会設置会社から監査等委員会設置会社へ移行 |
事業内容
KHネオケム株式会社とそのグループ企業は、石油化学製品の製造・販売を中心に事業を展開しています。同社はオキソ技術を核とし、アルデヒドを始めとする多様な化学製品を提供しており、これらは溶剤や可塑剤原料、機能性材料などとして幅広い産業分野に供給されています。
事業セグメントは「機能性材料」「電子材料」「基礎化学品」の3つに分かれています。機能性材料部門では、エアコンや冷蔵庫に使われる冷凍機油の原料や化粧品原料としての特殊ジオールを製造しており、主な製品には「キョーワノイック-N(イソノナン酸)」や「オクチル酸」、「1,3-ブチレングリコール」があります。電子材料部門では、液晶ディスプレイや半導体製造に必要な高純度溶剤「PM-P」や「PMA-P」を提供しています。基礎化学品部門では、自動車や住宅などに使用される溶剤や可塑剤原料、樹脂原料を製造し、「ブタノール」や「オクタノール」、「オキソコール900(イソノニルアルコール)」、「酢酸ブチル」などが主要製品です。
グループ企業の役割については、KHネオケムが中核として研究、製造、販売を担い、黒金化成㈱は高機能有機材料の受託製造・販売、㈱黒金ファインズは健康食品原料や医薬原料の販売、㈱ジェイ・プラスは可塑剤の製造・販売を行っています。また、海外法人としてKH Neochem Americas, Inc.が米国での輸出入や販売、市場調査を、晟化(上海)貿易有限公司が中国での輸出入や販売、市場調査をそれぞれ担当しています。これらの事業活動を通じて、KHネオケムグループは多岐にわたる産業に対して高品質な化学製品を提供し続けています。
経営方針
KHネオケム株式会社は、化学の力を活用してより良い明日を実現することを企業使命とし、確かな技術と豊かな発想で新たな価値を創造することを経営姿勢としています。同社は「VISION 2030」を策定し、スペシャリティケミカル企業として世界で輝くことを目指しています。このビジョンには、地球温暖化抑制に貢献する製品の提供、戦略ドメインでの世界シェアNo.1製品の拡大、そして国内化学業界トップクラスの利益率を目指すという3つの具体的な目標が含まれています。
中期経営計画では、2022年度から2024年度を対象期間とし、サステナブル経営の推進を基本方針として掲げています。この計画には、戦略ドメインにおける成長、社会課題解決への中長期的な取り組み、ビジネス基盤の強化という3つの基本戦略が含まれており、これらを通じて企業価値の向上を図ることを目指しています。経営数値目標としては、期間累計連結営業利益486億円、EBITDA635億円、ROE15%以上を掲げています。
さらに、KHネオケムは、経営環境の変化に対応するため、プラント設備の維持管理の向上や予兆診断システムの導入、安全教育の実施などを通じて、安全・安定操業を目指しています。また、物価高騰に伴うコスト増加への対応として、生産効率の最適化や製品価格の適切な転嫁を図り、収益改善に努めています。これらの取り組みは、次の第5次中期経営計画へと繋がる基盤となります。
KHネオケムは、これらの戦略を通じて、持続可能な社会の実現に貢献し、同時に企業価値の向上を目指しています。