阿波製紙JP:3896

時価総額
¥45.7億
PER
自動車関連資材のエンジン用濾材、クラッチ板用摩擦材原紙、鉛蓄電池用セパレータ原紙、水処理関連資材の分離膜支持体用不織布、MBR用浸漬膜及びユニット、食品用、電気・電子部品用機能紙などの製造・販売。

沿革

1916-02阿波製紙株式会社を設立
1943-05株式会社平和製紙所(徳島県)、三和製紙所(香川県)と合併、徳島合同製紙株式会社を設立
1948-03徳島合同製紙株式会社から阿波製紙株式会社に商号変更
1949-10三光工業株式会社(大阪府)を設立、阿波製紙株式会社内に徳島工場を設置、セルロイド原紙の生産販売を開始
1956-04和紙製造からの事業転換を図るため三光工業株式会社を吸収合併
1961-04自動車エンジン用濾紙(濾材)の販売を開始
1965-10関東地区の販売強化のため東京営業所を設置
1982-10リード工業株式会社(後にリード株式会社に改称)を設立、合成繊維紙などの開発に着手
1983-04分離膜支持体用不織布の販売を開始
1984-07クラッチ板用摩擦材原紙の販売を開始
1988-05研究開発活動強化のため徳島工場内に研究所を新設
1988-12James River Corporation(米国)と業務提携、バージニア州にてエンジン用濾材の委託生産開始
1989-11生産能力拡大のため阿南工場を新設、同工場にて建材用ガラス繊維紙の生産開始
1994-02アジア市場に向けて、タイ国にThai United Awa Paper Co.,Ltd.(現連結子会社)を設立
1996-01Thai United Awa Paper Co.,Ltd.が営業開始
1999-05ISO9001を国内全事業所が認証取得
2000-11Hankuk Carbon Co.,Ltd.(韓国)と抄紙技術支援契約を締結、ガラス繊維紙を生産移管
2003-04中国市場への進出のため、中国に阿波製紙(上海)有限公司を設立
2004-02河南舞陽申鑫特種紙業有限公司(中国・河南省)と技術許諾契約を締結、エンジン用濾材の委託
生産開始
2004-10東京濾紙株式会社の生産するエンジン用濾材に関する営業権を取得
2005-10ISO14001を国内全事業所が認証取得
2006-01阿波製紙(上海)有限公司が営業開始(後に阿波濾材(上海)有限公司へ改称)
2008-09日本製紙株式会社の小松島市社有地内に進出する覚書を同社、徳島県、小松島市と締結
2009-11Finetex EnE, Inc.とナノファイバーコート加工に関する契約を締結
2010-12廃水処理用MBR(Membrane Bio Reactor)用浸漬膜及びユニットM-fineの販売を開始
2012-10東京証券取引所市場第二部に株式を上場
2013-04河南舞陽申鑫特種紙業有限公司(中国・河南省)より事業を譲受した安徽鳳陽国豊生態科技材料有限公司(中国・安徽省)と技術許諾契約を締結
2014-09炭素複合材CARMIXの販売を開始
2014-12FSC森林認証(COC認証)を取得
2016-10東京証券取引所市場第一部に指定
2017-02安徽鳳陽国豊生態科技材料有限公司(中国・安徽省)との合弁で、中国に滁州市国豊阿波濾材有限公司(持分法適用関連会社)を設立
阿波製紙(上海)有限公司の解散決定
2017-03フューチャーベンチャーキャピタル株式会社と共同で、イノベーション創出投資事業有限責任組合(コーポレートベンチャーキャピタル)を設立
2019-05阿波製紙(上海)有限公司から滁州市国豊阿波濾材有限公司へエンジン用濾材の営業業務を移管
2020-03阿波製紙(上海)有限公司は、生産の停止と本社の移転に伴う経営範囲の変更により商号を阿波
濾材(上海)有限公司に変更
2021-09阿波濾材(上海)有限公司の清算結了
2022-04東京証券取引所スタンダード市場へ移行

事業内容

阿波製紙株式会社は、1916年に機械抄き和紙メーカーとして創業し、機能紙と不織布の開発、製造、販売を主業務とする企業です。同社は、連結子会社1社(Thai United Awa Paper Co.,Ltd.)、持分法適用関連会社1社(滁州市国豊阿波濾材有限公司)、非連結子会社で持分法非適用会社1社(イノベーション創出投資事業有限責任組合)と共に、多岐にわたる産業で使用される製品を提供しています。

同社の製品は、自動車関連資材、水処理関連資材、一般産業用資材の3つの主要セグメントに分類されます。自動車関連資材では、エンジン用濾材、クラッチ板用摩擦材原紙、鉛蓄電池用セパレータ原紙などを製造・販売しており、これらの製品は自動車の動力部分に不可欠です。水処理関連資材では、分離膜支持体用不織布やMBR(Membrane Bio Reactor)用浸漬膜及びユニットを提供し、海水淡水化や廃水処理などの高度な水処理に貢献しています。一般産業用資材では、食品用機能紙や電気・電子部品用機能紙などを製造・販売し、加工食品の鮮度保持や電子機器の断熱・放熱に使用されています。

阿波製紙は、時代のニーズに合わせた製品開発と、パートナー企業との共同開発を通じて、新たな原材料や製造ノウハウの蓄積を図り、産業界における多様な課題解決に貢献しています。

経営方針

阿波製紙株式会社は、紙の可能性を追求し、環境との調和を目指した商品・サービスの提供を通じて、社会に貢献することを使命としています。同社は、新市場の開拓、中核商品のグローバル市場での競争優位の追究、そしてSDGsと高収益の両立を経営戦略の三本柱として掲げています。これらの戦略を実現するために、マーケティングとベンチマーク活動、アライアンス戦略を通じて次世代中核商品の開発に注力し、事業領域の拡大を目指しています。また、ブランドの構築を通じて売上・利益の最大化を図り、SDGsにおいて注力する10の目標を設定し、持続可能な社会の実現と利益追求の両立を目指しています。

同社は、第3次中期経営計画「Awa Breakthrough Plan」の下で、基盤事業の強化と収益構造の改善、新事業の創出、DXの推進、サステナビリティの推進、人的資本の充実を主要な課題として取り組んでいます。特に、水処理関連資材の生産体制の整備や自動車関連資材の高性能化、新製品開発に力を入れています。DX推進では、業務の効率化と生産性向上を目指し、サステナビリティの推進では、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを強化しています。また、人的資本の充実にも注力し、多様な人材が活躍できる職場環境の整備やスキルアップ支援を進めています。

これらの戦略と取り組みを通じて、阿波製紙は、安定成長を見込む中核商品と成長分野での新事業からなる積極的な経営を目指しています。同社は、時代のニーズに合わせた製品開発とパートナー企業との共同開発を通じて、産業界における多様な課題解決に貢献し続けることで、社会に価値を提供していく方針です。