大王製紙JP:3880

時価総額
¥1505.9億
PER
29.7倍
紙・板紙事業では新聞用紙や段ボール、ホーム&パーソナルケア事業では紙おむつやフェミニンケア用品を製造販売する企業。

事業内容

大王製紙は、複数の事業セグメントを持ち、多岐にわたる製品とサービスを提供しています。以下にその主な事業内容を紹介します。

1. **紙・板紙事業**

大王製紙は、新聞用紙、印刷用紙、包装用紙、板紙、段ボール、パルプなどの製造販売を行っています。新聞用紙は、いわき大王製紙と共同で製造し、販売は大王製紙とEBSが担当しています。印刷用紙も同様に大王製紙が製造し、EBSと共に販売しています。

2. **ホーム&パーソナルケア事業**

このセグメントでは、衛生用紙、紙おむつ、フェミニンケア用品、ウエットワイプ、ペット用品などを製造販売しています。エリエールペーパーやダイオーペーパープロダクツが製造を担当し、販売は大王製紙とEBSが行っています。海外市場向けには、中国の大王(南通)生活用品有限公司やブラジルのサンテルS.A.が製造販売を行っています。

3. **その他の事業**

その他の事業には、フォレスタル・アンチレLTDA.とオレゴンチップターミナルINCによる植林・木材販売事業、ダイオーエンジニアリングによるエンジニアリング事業、ダイオーロジスティクスによる物流事業などが含まれています。これらの事業は、紙製品の製造販売を補完する役割を果たしています。

大王製紙は、これらの多様な事業を通じて、国内外で幅広い製品とサービスを提供し、業界内での競争力を維持しています。

経営方針

大王製紙は、長期的な成長を目指し、2035年度までにグループ連結売上高1兆2,000億円、営業利益率10%を達成する「Daio Group Transformation 2035」を掲げています。このビジョンのもと、同社は「Reframe ~基盤の強化~」という3カ年計画を2024年度から開始し、経営基盤の強化に取り組んでいます。

同社の成長戦略は、4つのTransformationに焦点を当てています。まず、活動領域を日本中心からグローバル視点へシフトし、環境変化に対応できる研究開発力とマーケティング力を強化します。また、エネルギー構成を石炭依存から地域共生型の廃棄物燃料や木質燃料へ転換し、CO₂排出量の削減を進めます。さらに、人財育成と企業文化の変革を通じて、価値創造の源泉を強化します。

中期計画では、ホーム&パーソナルケア海外事業の構造改革や国内事業の収益改善、紙・板紙事業の収益拡大と新規事業投資を進めています。特に、海外事業では中国での固定資産売却やトルコからの撤退を決定し、収益性の改善を図ります。国内事業では、付加価値商品の販売強化と価格改定を通じて収益力を向上させます。

大王製紙は、持続可能な成長を実現するため、環境対応や新素材領域の事業育成にも注力しています。2050年カーボンニュートラルを目指し、2030年度までに化石由来CO₂排出量を2013年度比46%削減する目標を掲げています。また、セルロースナノファイバー(CNF)やバイオリファイナリー領域の事業化を推進し、新素材事業への投資を継続しています。