エータイJP:369A

時価総額
PER
永代供養墓を中心とした寺院コンサルティング事業の有力企業。独自の永代供養墓やワンストップ募集代行、管理代行、葬儀関連サービスを展開。2024年8月期末で累計供給区画34,002基、累計成約者数27,740組の実績。国内各地でのドミナント展開。

事業内容

エータイは、寺院向けのコンサルティング事業を中核に、永代供養墓の企画・建立から募集、販売、運営までをワンストップで代行しています。デザイン性のある各種永代供養墓を商品として展開し、墓地利用者に「始めやすく、維持しやすい」選択肢を提供しています。

主要な顧客は提携する寺院と墓地の利用者で、同社は寺院と募集代行契約を結び、利用者の成約額から寺院へ配分する志納料を差し引いた募集代行手数料を収益源としています。建立や広告など運営費用を同社が先に負担することで手数料率を確保し、安定的な利益構造を築いています。

事業は単一の寺院コンサルティングセグメントで、(1)永代供養墓募集代行業務と、(2)墓域の管理代行・寺院向けの集客提案、葬儀関連サービスなどのその他業務で構成されています。合祀墓、個別墓(マンション型・戸建て型)、樹木葬など複数の墓種を揃え、地域に特化した集中展開により安定供給と継続需要の確保を図っています。

経営方針

同社は「お墓といえばエータイ」を目指しており、成長の主要指標として開苑寺院数、売上高、1寺院当たり売上高を掲げています。直近(2024年8月期)の成約額は3,266百万円、売上高は2,376百万円、開苑寺院数は80寺院、1寺院当たり売上は約30百万円となっており、これらの数値を着実に伸ばすことが短中期の目標です。国内の年間死亡数の増加や永代供養墓市場の拡大(2017年348億円→2030年777億円という推計)を追い風に、長期契約(10〜20年)を活用して収益の安定化を図っています。

同社は重点投資を寺院開発と商品企画・広告に絞り、差別化は「デザイン性が高く、維持しやすい永代供養墓」とワンストップのフルサポートで図っています。建立や広告などの初期費用を同社が負担することで募集代行手数料率を確保し、低価格競争に陥らない代わりに品質やサービスで優位性を保っています。具体的にはポータルサイトや自社サイト等のオンライン広告、折込チラシや新聞、テレビCMなどのオフライン施策、現地常駐スタッフによる見学サポートを組み合わせて顧客獲得を強化しています。

同社は新市場開拓と事業拡大に当たり、関東を主軸に九州・東海・関西への展開を進めています。関東圏でアプローチ可能な寺院数は約6,300寺院と想定しており、年齢別人口や競合の有無、既存開苑寺院の販売実績を勘案して潜在性の高いエリアを選定するドミナント戦略を採用しています。提携候補寺院は年間見込成約額約40百万円を目安に選定し、既存寺院での増設や地域集中型の展開により効率的に開苑寺院数と売上を伸ばす計画です。

同社は技術革新としてデータ分析や人工知能(AI)を導入し、既存開苑寺院の売上実績や住所、商圏人口を学習させて提携候補の優先順位付けを行っています。さらに顧客アンケートや寺院との定期的な対話を通じて新サービスの開発に取り組み、コンプライアンス強化(顧問弁護士との連携、3か月ごとの委員会等)や内部管理体制の整備、教育投資による人材確保も並行して進めることで、持続的な成長基盤を整えています。