ジェイフロンティアJP:2934

時価総額
¥70億
PER
68.2倍
医療プラットフォーム・通販・ヘルスケアマーケティング事業の有力企業。オンライン診療・オンライン服薬指導・処方薬宅配をワンストップで提供する医療プラットフォーム「SOKUYAKU」を展開。2008年6月設立。展開地域は日本国内。

事業内容

ジェイフロンティアは、ヘルスケア分野を中心に事業を展開し、健康食品や医薬品の自社ブランドの企画・開発・通販販売と、オンライン診療から服薬指導、処方薬の宅配までを一括で提供する医療プラットフォーム「SOKUYAKU」などを運営しています。もともとインターネット広告代理から出発し、販促支援のノウハウを生かして販売から物流まで一貫したサービスを持っています。

同社の主要顧客は一般消費者と法人(医療機関や商品を扱う企業)で、収益は自社商品の通販売上や定期会員の継続購入、広告・マーケティングの受託手数料、卸売や業務委託(BPO)契約による売上で成り立っています。通販は電話やウェブで受注し、外部のコールセンターや物流会社と連携して代金回収や出荷を効率化しています。

同社は事業を大きくメディカルケアセールス、ヘルスケアセールス、ヘルスケアマーケティングの三つに分けています。メディカルケアセールスは「SOKUYAKU」によるオンライン診療・服薬指導と処方薬宅配や医療機関向けのデジタル支援を含み、ヘルスケアセールスは健康食品ブランド(例:「酵水素328選」等)の通信販売を行っています。ヘルスケアマーケティングは広告代理、キャスティングやSNS・PRイベント、卸売やBPOを通じて法人顧客の販売促進を支援しています。

経営方針

ジェイフロンティアは中長期的に売上高とEBITDAの向上を目指しています。事業の成長指標として、消費者の利用人数を示すQAU(四半期のアクティブユニークユーザー数)と、そこから生じる年間収益を示すARRを重視しており、これらの拡大を通じて安定的な収益基盤を築く方針です。背景には国内のBtoC‑EC市場が2023年で約14兆6,760億円、EC化率が9.4%と成長余地が大きいこと、健康食品市場が2023年度で9,050億円、一般用医薬品市場が2024年に7,105億円と堅調な点があり、同社は定期購入を中心とした継続収益の拡大を図っています。

同社は重点投資分野として、既存の健康食品・医薬品の自社ブランド強化と医療プラットフォーム「SOKUYAKU」の拡大に注力しています。具体的には新商品投入や定期会員向けサービスの拡充、販促物や同梱物の品質向上、カスタマーサポートの強化などで顧客満足度を高め定着率を上げる施策を実行しています。また広告投資については媒体別の市況や顧客反応、定期顧客獲得単価(CPO)を継続的にモニタリングし、効率的な広告配分で新規獲得と既存会員の維持を両立させる差別化を図っています。

新市場開拓と事業拡大については、通販で培ったEC・マーケティング・物流のノウハウを医療分野に転用する戦略をとっています。オンライン診療・オンライン服薬指導から処方薬の宅配までをワンストップで提供するSOKUYAKUは2021年2月に開始し、診療報酬改定などの制度緩和を受けて提携医療機関と利用者を急速に増やしているため、同社は提携の拡大や法人向けサービスの拡充、M&Aやアライアンスを通じた事業領域の拡大を進めています。加えてSDGsに沿った商品開発や広報・CSR活動でコーポレートブランドの価値向上にも取り組んでいます。

技術革新と内部統制の強化にも注力しています。デジタル技術を活用した医療サービスアプリや手続きのデジタル化、個人情報保護のためのプライバシーマーク取得や情報セキュリティ管理(ISMS/ISO27001)などを整備し、ユーザーの利便性と信頼性を高めています。同社はまた、2024年に指摘を受けた会計処理上の課題を受けて、CFOの取締役選任や社外取締役の増員、コンプライアンス研修の定期実施、利益率の月次モニタリングや内部通報制度の周知強化といった再発防止策を実行しており、技術面とガバナンス面の両輪で持続的成長を目指しています。