FLOWERS FOODS INCFLO

時価総額
$23.1億
PER
食パンなどのベーカリー製品製造の大手。食パン、バンズ、ベーグル、トルティーヤを展開。2023年2月にPapa Pitaを約2.75億ドルで買収、ERP刷新に約3.5億ドル投資で2026年完了予定。米国全土で展開。

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企業概況
109文字)
業績概況
テーマ
2項目)
ブランド
3項目)
ライバル企業
2社)
同業種の日本企業
2社)

事業内容

FLOWERS FOODS INCは米国で大手の包装・鮮度保持型パン製造企業で、食パン、バンズ、ロール、ベーグル、イングリッシュマフィン、トルティーヤなどの日常的なベーカリー製品を製造・販売しています。同社は小売向けのブランド商品を中心に、冷凍品や業務用製品、契約製造も手掛けています。

販売先はスーパーマーケットや量販店、食品サービス事業者、外食チェーン、学校や医療機関など多様で、頻繁な店舗配送や安定供給が収益に直結しています。同社の売上はブランド小売が約63.9%を占め、残りはプライベートブランドや業務用、卸売・自販機向けなど複数チャネルからの収益で構成されています。

同社は事業を単一セグメントで管理し、Nature’s OwnやWonder、Tastykakeをはじめ、オーガニックのDKBやグルテンフリーのCanyon Bakehouseなど幅広いブランドポートフォリオを持っています。全米に自社工場と物流拠点を展開し、買収や共同製造で地域網と生産能力を拡大しつつ、ブランド投資と供給チェーンの効率化で利益率向上を目指しています。

経営方針

同社は長期的にブランド中心の成長を目指しており、具体的な数値目標として売上高を年率1〜2%成長させ、EBITDAを年率4〜6%(EBITDAは利払い・税金・減価償却前利益の意)、一株当たり利益を年率7〜9%で成長させることを掲げています。手元流動性は2024年12月28日時点で約5億6,940万ドルを確保しており、この資金を基に基幹システムの更改や戦略的投資、配当や自社株買い、選択的な買収に充てる方針です。過去のコスト上昇局面では値上げや品ぞろえの最適化で対応し、商品コストのヘッジも併用して利益率の確保に努めています。

重点投資分野は「ブランド投資」と「マージン改善」に集約されます。同社は高付加価値の小売向けブランド製品への比重を高めることで収益性を改善しようとしています。低マージン事業からの撤退や販売価格の見直しでポートフォリオをスリム化し、製造・流通の柔軟性を生かして需要に応じて生産配分を切り替えています。生産面では効率の高い工場へ再配置する判断(バトンルージュやフェニックス工場の停止など)や、食品別の容量不足を補うための買収や自社内投資で差別化を図っています。

新市場開拓と事業拡大では、慎重かつ選択的なM&Aを成長手段として位置づけています。2023年2月にパンやベーグル等を手掛けるPapa Pitaを約2.75億ドルで買収し、西部での直配(DSD)を強化しました。また、2025年1月に健康志向スナックのSimple Mills買収契約を発表しており(2025会計年度第1四半期のクロージングを想定)、これにより「より健康的な」スナック分野への露出拡大とカテゴリ分散を図る計画です。流通面ではデポ統合や輸送距離短縮によるネットワーク最適化を進めています。

技術革新では基幹業務システム(ERP)刷新とデジタル化に重点投資を行っています。ERPアップグレードは総額で約3.5億ドルを想定し、2024年末時点で約2.38億ドルを支出、完了は2026年を見込んでいます。同時にeコマース、需要予測や発注の自動化、工場のリアルタイム管理、物流のデジタル化、営業支援ツールなどを導入し、現在「ベーカリー・オブ・ザ・フューチャー」を36工場に展開、物流のデジタル化は全工場へ導入済みです。これらで在庫・生産の可視化や配送効率を高め、商品品質と意思決定の精度を向上させる狙いですが、原材料価格やサプライチェーン、人手不足といった外部リスクは引き続き監視し、ヘッジや価格調整で緩和する方針です。