Evergy, Inc.EVRG

時価総額
$174.2億
PER
電力供給・送配電の大手。再生可能エネルギーの発電、送配電網の運用、送電プロジェクト参画を展開。2017年の合併で発足、送電関連に持分出資やJV保有。米カンザス州・ミズーリ州で約170万顧客(住宅約150万・商業約20万・工業7,500)への供給。

ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン

企業概況
100文字)
業績概況
テーマ
2項目)
ブランド
ライバル企業
1社)
同業種の日本企業
1社)

事業内容

Evergy, Inc.はカンザスシティを拠点とする公開公益持株会社で、主にカンザス州とミズーリ州で統合型の規制電力事業を展開しています。同社は発電、送電、配電を一体で運営し、家庭や企業に安定して電力を供給することを主力サービスとしています。

同社の顧客は約170万件にのぼり、その内訳は主に約150万世帯の家庭と約20万の商業顧客、さらに数千の工場や自治体を含みます。料金は規制によって決まり、季節変動が大きく夏季の第3四半期に小売収入の約3分の1を計上するなど収益に季節性が出ます。

事業は地域ごとの統合電力事業体(カンザス中央、メトロ、ミズーリ西など)と、送電プロジェクトへの出資や送電線を保有する合弁事業で構成されています。これらを通じて送配電網の維持・拡充や再生可能エネルギー対応を進め、手頃な料金、信頼性、環境目標の達成とともに配当性向60~70%を目標とした株主還元も重視しています。

経営方針

同社は中長期的に一株当たり利益(EPS)の増加と株主還元の拡大を目指しています。目に見える数値目標としては配当の支払い率を60〜70%に設定しており、安定した配当と成長を両立させる方針です。事業基盤は約170万人の顧客(住宅約150万、商業約20万、工業・自治体等約7,500)に及び、売上の季節性には注意しつつ既存の規制枠組み内での収益確保とコスト管理を重視しています。

同社は送配電網と発電設備への重点投資を差別化の柱としています。具体的には送電事業への出資を通じてネットワークを強化しており、Transource Energyには13.5%を、共同出資のPrairie Windには50%を保有しており、Prairie Windが保有する108マイル(約174km)の345キロボルト二重回線は地域間の電力流通を改善します。これらの大規模インフラ投資により地域需要に応えつつ、規制されたユーティリティならではの安定性を差別化要因にしています。

新市場開拓や事業拡大は既存サービス地域の経済開発支援と需要増対応を軸にしています。同社はカンザス州とミズーリ州で統合された事業展開を行い、送電・配電の拡充や発電ポートフォリオの進化で新たな産業誘致や顧客増に備えています。加えて、規制当局との連携で投資回収や料金認可を図ることで、送電プロジェクトや地域拡張を実行可能な形にする計画です。

同社は技術革新を通じた効率化と信頼性向上にも取り組んでいます。発電資源の構成見直しや蓄電などの新技術導入、電力市場や燃料価格変動に対するヘッジ手法の運用を進め、運用効率の改善を図っています。また内部統制や情報開示の整備にも注力しており、経営・財務の透明性を確保したうえで技術投資を実行することで、顧客にとっての手頃さ・安定性・持続可能性を高めることを目指しています。