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Endeavor Group Holdings, Inc.EDR
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事業内容
Endeavor Group Holdings, Inc.は、エンターテインメントとスポーツを中心に、タレントのマネジメントから大型イベントの開催、映像制作・放送権の管理までを手がける総合プラットフォーム企業です。同社はタレント代理や興行運営、メディア権利の仲介・制作を主力として収益を上げています。
主要な顧客は放送局や配信事業者、スポンサー企業、イベント参加者、そしてタレントや権利保有団体で、収益はメディア権利の販売、スポンサーシップ、チケットやホスピタリティ販売、代理手数料、ライセンス料などで構成されています。同社は大規模イベントや人気タレントとの取引から高額な案件を獲得する一方で、少数の大口案件が業績に与える影響が大きいビジネスモデルです。
事業は大きく分けて、タレントの代表・管理、イベント・体験とその権利の運営、映像制作とメディア権利の販売・配信、スポンサーやブランド向けのマーケティング・ライセンス関連に分類されています。同社はこれらの領域を組み合わせることでスポンサー契約やコンテンツ販売の価値を高め、クロスセルで収益機会を拡大しています。
経営方針
同社は統合プラットフォーム戦略による成長を掲げており、タレント代表、イベント運営、メディア制作・権利販売、スポーツ関連テクノロジーを横断的に拡大することで収益基盤の拡大を目指しています。公開資料では、2024年6月30日時点の時価総額が約57.4億ドル、クラスA株の発行済み株式が325.5百万株など資本構成が示されており、同時に連結負債は約57億ドルに達していることから(うちファースト・リーン・タームローンが22億ドル、満期日:2025年5月18日)、財務面では資金調達や債務再編を含めた流動性管理が成長戦略の重要課題になっています。なお、金利上昇には敏感で、金利が1%上昇すると年間利息費用が約5,600万ドル増える試算を公表しています。
同社は重点投資分野として「ライブイベントと体験」「タレント代表とブランド事業」「スポーツ/メディア制作」「スポーツ向け技術・データ」の四領域に資源を集中させています。具体的には、On Locationを通じて年間1,200以上のイベントにサービスを提供し、マイアミ・オープンやFrieze、Barrett‑Jacksonといった保有イベントや、WMEやIMGを通じた7,000人超のタレント顧客基盤を活用しています。差別化策としては、タレントのマネジメントからスポンサーシップ、放映権販売、現地体験の提供までを一気通貫で行える点を挙げており、メディア制作では年間約3万時間のコンテンツ制作能力を生かして競合と差をつけています。
新市場開拓・事業拡大に関しては、買収と資産の入れ替えを通じてスケールを拡大する方針です。過去の大型投資例としてはOpenBet買収(約8.44億ドル)、マドリードオープン買収(約3.86億ドル)、Barrett‑Jackson取得(約2.57億ドル)などがあり、一方でIMGアカデミー売却(約11億ドル)やDBH関連の売却(約2.8億ドル)といったポートフォリオ最適化も進めています。また、2024年4月にSilver Lakeとの合併契約を締結し非公開化を目指す動きがあり、これが実行されれば規制承認やゲーミング当局のクリアランス、四半期配当の実行などの条件を満たすことで、M&Aや長期投資をより柔軟に進める計画です(ただし完了は諸条件の充足が前提です)。
技術革新については、放送・制作技術、データ分析、並びにギャンブル関連のプラットフォーム技術への投資を強化しています。OpenBetのようなブックメーカー向けプラットフォームやスポーツデータ技術の取り込みにより、放映権販売や観客体験のデジタル化、リアルタイム分析を強化して収益化を図っています。さらに、為替変動や金利リスクに対しては必要に応じて為替予約などのヘッジ手段を用いると明記しており、テクノロジー投資とリスク管理を同時に進めて競争力を高めようとしています。