ELECTRONIC ARTS INC.EA

時価総額
$503.2億
PER
インタラクティブエンターテインメントの最大手。オンライン対応のコンソール・PC・モバイル向けゲームと仮想通貨・課金ビジネスを展開。2024年5月に5.0Bドルの自社株買い枠設定、2025年2月に1.0BドルのASRで7.4百万株を買戻し。米国・欧州・アジア中心に展開。

ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン

企業概況
130文字)
業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
2項目)
ライバル企業
3社)
同業種の日本企業
3社)

事業内容

ELECTRONIC ARTS INC.はコンソール、PC、モバイル向けのインタラクティブなビデオゲームを企画・開発・販売する企業です。同社は人気フランチャイズを中心に、ゲーム本体の販売に加えてオンラインで遊べるサービスや追加コンテンツを提供しています。常時接続型の運営やクラウドを利用したサービスにも注力しています。

同社の主要な顧客は世界中のプレイヤーで、収益はゲーム本体の販売、ゲーム内課金、ダウンロードコンテンツやサブスクリプションが柱です。また、ソニーやマイクロソフト、アップル、グーグルといったプラットフォーム事業者を通じた配信が重要で、これらのチャネル経由の売上がデジタル収入の大きな割合を占めます。

事業はフランチャイズや配信形態ごとに分かれており、スポーツ系タイトル、アクション・ロールプレイング系、モバイル向けゲーム、そして長期運営型の「ライブサービス」が主要なラインです。同社は社内スタジオと外部パートナーを組み合わせて開発を進め、定期的なコンテンツ追加や仮想アイテム販売で継続的に収益を上げています。

経営方針

同社は総売上高7,463百万ドル(2025会計年度)をベースに、収益の柱であるライブサービスの安定成長を目指しています。ライブサービス及びその他の純収入は5,461百万ドルで、同社はこれを今後も事業の中心に据える方針です。営業利益は約1,520百万ドル、粗利益率は79.3%と高水準である一方、純利益は1,121百万ドル(希薄化後1株当たり4.25ドル)にとどまっており、同社は継続的なユーザーエンゲージメント向上で売上と収益性の両立を図ろうとしています。また株主還元も重視しており、2025年度は約2,699百万ドルを株主還元に充て、うち約2,500百万ドルで17.6百万株を自社株買いしました。現在は2027年5月まで有効な最大50億ドルの自社株買いプログラムを運用しています。

同社は重点投資分野として、既存フランチャイズの育成とライブサービスの深掘りを掲げています。具体的には追加コンテンツやサブスクリプションでの収益拡大、プレイヤーコミュニティの活性化、ゲーム内経済の健全化に投資しており、未分配の繰延収益は1,866百万ドルと将来の収入基盤を示しています。差別化戦略としては長年にわたる版権やライセンス(スポーツ団体等)を活用して独自の体験を作る点、世界規模で何百万人ものプレイヤー基盤を持つ点を強みにしています。運営費は4,400百万ドル程度で、効率的なコンテンツ投入とライブ運営で高い粗利を維持することが差別化の核です。

新市場や事業拡大に関しては、モバイルや無料プレイ型(フリーミアム)ビジネス、そして「ゲームの内外での体験拡張」に注力しています。同社は現金・短期投資で約2,248百万ドルを保有し、500百万ドルのリボルビング信用枠を用意しており、将来的な買収や戦略的投資にも備えています。2026会計年度はハードウェア・ソフトウェア・不動産を中心に約225百万ドルの資本支出を予定しており、この資金を使って海外市場や新しい消費者接点の開拓、ライセンス拡大を進める計画です。

技術革新への取り組みでは、人工知能の研究開発投資を明確に進め、制作の効率化や新たなゲーム体験の創出を図っています。インフラ面ではクラウドやサーバー安定性の向上、アカウント安全対策(2段階認証や異常検知ツール)やペネトレーションテストの定期実施などセキュリティ強化に資源を割いており、最高情報セキュリティ責任者がCTO直下でリスク管理を行っています。また社内で資産化している業務系ソフトウェアの投資も継続しており、これらを組み合わせてゲームの配信安定性とユーザー体験の向上を目指しています。