Credo Technology Group Holding LtdCRDO

時価総額
$226.7億
PER
高性能接続ICとIPソリューションの最大手。独自のSerDes、低消費電力DSP、チップレット製品を展開。2024会計年度売上高193.0百万ドル、純損失28.4百万ドルを計上。北米・アジア中心に展開。

事業内容

Credo Technology Group Holding Ltdは、高速データ通信向けの半導体チップと設計技術(IP)を開発・販売しています。同社はデータセンターや通信機器向けに、帯域幅を確保しつつ低消費電力で信号を安定伝送するソリューションを中心に提供しています。

同社はハイパースケール事業者や機器メーカー(OEM/ODM)、光モジュールメーカー、エンタープライズや高性能コンピューティング(HPC)分野の企業に製品を販売しています。2024会計年度の売上は約1億9300万ドルで、製品販売と製品向けエンジニアリングサービスが売上の約85%、IPライセンスと関連サービスが約15%を占め、北米が約31%、主にアジアが約69%を占める一方で少数の大口顧客への依存度が高い構造です。

事業は大きく製品販売、IPライセンス、顧客向けのエンジニアリングサービスに分かれます。同社は設計に注力するファブレスモデルを採用し、自社設計のチップやチップレット、コア技術のライセンスを組み合わせて提供しています。個別に設計した顧客向けソリューションを汎用化して他顧客に展開することや、受託開発での収益化を通じて事業拡大を図っています。

経営方針

同社は成長の原動力として「製品比率の拡大」と「設計採用(デザインウィン)の積み上げ」に注力しています。2024会計年度の売上高は約1億9300万ドルで、製品売上が売上全体の約85%を占めており、IP(技術ライセンス)収入は約15%でした。株式の追加入手により2023年12月に約1億7340万ドルの純収入を確保しており、同社はこの資金を研究開発や市場拡大、人材採用に充てることで、営業レバレッジを高めて将来的な黒字化を目指しています。

同社は重点投資分野として独自のシリアライザ/デシリアライザ(データ送受信回路)設計やデジタル信号処理技術に集中しています。製造はファブレス(外部ファウンドリ委託)で行い、設計力で成熟した製造プロセスでも高性能かつ低コストを実現する点を差別化要素としています。その結果として、低消費電力で小面積の実装を可能にするアーキテクチャや、チップレット(小型半導体モジュール)や高帯域幅DSPといった製品群で市場差別化を図っており、800Gや112Gといった世代の製品投入実績が差別化の根拠になっています。

新市場開拓では、同社はハイパースケール事業者や大手OEM、ODM、光モジュールメーカー、エンタープライズや高性能コンピューティング分野、5G向け市場などへの浸透を追求しています。現在の地理的な売上比率は北米が約31%、残り69%が主にアジアであることから、既存顧客との関係深化に加えて営業・マーケティングの拡大で顧客基盤の多様化を図る計画です。設計採用から量産立ち上げまでに通常2〜3年を要する点を踏まえ、ターゲットごとに専用ソリューションを提供してそれを汎用製品やライセンスに転換する運用を強化しています。

技術革新への取り組みとして、同社は継続的な研究開発投資を明確に打ち出しており、約407名のエンジニアを核に新世代の接続ソリューションを開発しています。役員・従業員に対するインセンティブ制度(2024年6月承認のエグゼクティブ・インセンティブ・コンペンセーション・プラン)を通じて業績連動の報酬設計を行い、技術者の定着と競争力維持を図っています。また、業界標準化団体や大手顧客と連携して規格策定や実装例を推進し、開発した個別ソリューションを後に広く展開可能なIPや製品に転換することで技術優位を持続することを目指しています。