Airbnb, Inc.ABNB

時価総額
$698.7億
PER
宿泊・体験のマーケットプレイスの最大手。AIと機械学習を用いた価格・マッチング最適化や24時間のコミュニティサポート、AirCoverを展開。2024年12月時点で従業員約7,300人。500万超のホストと20億超のゲスト到着を抱え世界各地で展開。

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企業概況
109文字)
業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
1項目)
ライバル企業
3社)
同業種の日本企業
4社)

事業内容

Airbnb, Inc.は、個人や事業者が自宅や別荘、ユニークな宿泊施設を貸し出し、旅行者がそれらを検索・予約できるオンラインのマーケットプレイスを運営しています。主力サービスは宿泊の仲介と現地での体験プログラムで、ウェブやアプリを通じて世界中の物件やツアーを扱っています。

同社の主要な顧客は宿を貸す「ホスト」と宿を借りる「ゲスト」で、収益は主に取引ごとの手数料(ゲスト向けのサービス料とホスト向けの手数料)と体験の販売によるコミッションから成ります。加えて、保険や長期滞在、法人向けサービスといった付帯収入も拡大しています。

同社は事業を「宿泊(短期・中期)」「体験」「ホスト向けツールとサービス」に分けて展開しています。ホスト向けには予約管理や価格最適化、共同運営者を見つける機能などを提供し、ゲスト向けには検索・決済・安全対応や補償(AirCover)を用意しています。技術面では人工知能を使った掲載マッチングや不正検知、グローバルな決済と多言語サポートを強化しており、地域ごとのマーケティングで成長市場の開拓も図っています。

経営方針

同社は中核となる宿泊・体験のプラットフォームを磨きつつ、グローバルでの成長と新規事業の拡大を両立することを長期目標に掲げています。直近の業績では、2024年の収益は111億ドル(前年比12%増)、宿泊と体験の合計件数は約4,330万件(同10%増)、総取扱額(GBV)は85億ドル(同12%増)となり、調整後EBITDAは約40億ドル、フリーキャッシュフローは約45億ドルを計上しました。こうしたキャッシュ創出力を背景に、株主還元として2024年に2450万株・約34億ドルの自社株買いを実行するなど、財務の健全性と成長投資の両方を目指しています。

重点投資分野はプラットフォームの「信頼と安全」、ホスト支援、そしてブランドとマーケティングです。信頼面ではAirCoverを通じて宿泊ごとの物損補償最大300万ドル、賠償責任は最大100万ドルなどの保護を提供し、ホスト側には2024年に開始したCo‑Host Networkといった運営支援や価格・占有率の最適化ツールを整備しています。差別化はユニークな宿泊在庫とホスト保護、レビューや不正検知を含む「信頼の仕組み」に置いており、500万を超えるホストと20億を超えるゲスト到着という規模を活かして他社にない体験価値を築くことを狙っています。

同社は未成熟市場でのローカライズを強化し、新しい事業領域への拡張も進めています。具体的には地域別に最適化したプロダクト改良とマーケティング投資を行い、認知度や利用率が低い市場でのシェア拡大を目指しています。また中長期の製品ロードマップでは宿泊以外のサービス展開を視野に入れており、必要に応じて戦略的な買収や投資も行う計画です。規制対応や地域ごとの法制度調整にも注力し、各地のルールに沿ったホスト支援を強化しています。

技術革新では人工知能(AI)と機械学習の導入、システムの小さな部品化(マイクロサービス)による迅速な開発体制、データ基盤の強化に重点を置いています。AIは不正検知や個別マッチング、リアルタイムのコミュニティサポートなどに組み込み、データ管理は利用者のプライバシー保護と分析の両立を図っています。可用性や応答速度、災害復旧といったサービスの信頼性向上にも投資しており、グローバル決済では約20種類の地域別支払い手段をサポートしています。人材面では従業員約7,300名に加え、約11,000名の外部サポート要員を活用して世界規模の運用を支えています。