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Zoetis Inc.ZTS
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事業内容
Zoetis Inc.は、動物向けの健康管理に特化した医薬品・ワクチンや獣医向けの製品・サービスを提供する企業です。同社はペットと家畜の病気予防・治療のための医薬品、ワクチン、診断製品や遺伝子検査、関連するサービスを展開しています。また自社の研究開発能力に加えて大学や産業パートナーと連携し、新しい治療やデジタル技術を取り入れたソリューションを開発しています。
主要な顧客は獣医、畜産業者、そしてペットオーナーで、製品は同社の営業担当や獣医専門スタッフによる直接販売に加え、代理店や小売、オンライン販売を通じて届けています。同社の収益は主に医薬品・ワクチン・診断製品の販売が中心で、海外事業が売上の大きな割合を占めるなど地理的に分散した収益構造を持っています。
事業面では伴侶動物向け(ペット)と生産動物向け(家畜)の両方を扱い、痛み管理や抗感染薬、寄生虫対策薬、ワクチン、診断試薬など幅広い製品ラインをそろえています。同社は約300の製品ラインを保有し、世界各地の自社工場や受託製造パートナーのネットワークで供給を支えつつ、営業と獣医専門家が顧客支援や教育を行い、買収やR&Dで製品ポートフォリオを拡大しています。
経営方針
同社は持続的な売上成長と株主還元の両立を目指しています。具体的には、2024年8月に最大60億ドルの自社株買い枠を新たに承認し、同年末時点で56億ドルが残高として残っているという資本配分の余地を確保しています。2024年には1,040万株、約18億ドルを買い戻しており、これに先立つ2021年承認の35億ドル枠も年内に完了させるなど、株主還元を重要な戦略の一つに位置づけています。また、売上面では海外事業の比率が高く、2024年の総売上の約44%が米国外からの収益となっており、新興市場での成長を成長エンジンにしています。
研究開発と商品ポートフォリオへの重点投資が同社の差別化の中心です。社内の研究開発能力を強みとしつつ、大学や産業界と協業してイノベーションを進めており、医薬品、ワクチン、診断製品、遺伝子検査、精密動物医療などおよそ300の製品ラインを有しています。加えて、世界約45か国に直接拠点を持ち、100か国以上で販売を行う広い販売網と、獣医や生産者に直接寄り添う営業・技術支援体制を通じて、価格以外の価値提供(教育、現場支援、長期的な関係構築)で競合と差別化しています。製造面では外部委託先(CMO)ネットワークを110社以上で運用し、供給の安定とコスト最適化にも投資しています。
新市場開拓と事業ポートフォリオの最適化も積極的に進めています。成長のための買収・投資例としては、オーストラリアのJuroxを最終的に2億4千万ドルで取得し、ペット向け遺伝子検査のBasepawsや品質指標測定のNewMetricaといった企業も取り込みました。一方で、重点外の資産は整理しており、飼料添加物事業などは2024年10月に約3.09億ドル(最終的に純受領額は約2.92億ドル)で売却して事業の焦点を絞っています。製造能力の拡充も継続しており、米国アトランタ近郊の工場を取得して今後の商業生産開始を計画するなど供給基盤の強化を図っています。
技術革新への取り組みでは、デジタルとデータを単なる補助ではなく事業の中核に据える方針を掲げています。顧客体験の向上を目的に製品ポートフォリオの連携やデータ分析による診断・飼養管理の最適化を進め、精密動物医療や遺伝子検査を通じた早期発見・予防に投資しています。社内研究だけでなく外部パートナーとの共同研究やデジタルサービス開発を推進することで、現場の獣医や飼育者にとってより実用的で成果の出るソリューション提供を目指しています。