ZIONS BANCORPORATION, NATIONAL ASSOCIATIONZION

時価総額
$74.4億
PER
預金・法人融資などの地域銀行業の大手。商業不動産融資やウェルスマネジメントを展開、総資産約890億ドル(2024年12月31日時点)。2024年12月にシリーズG/I/J優先株を約3.74億ドルで償還。米西部中心の11州で404店舗、顧客数100万人超で展開。

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企業概況
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業績概況
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ライバル企業
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同業種の日本企業
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事業内容

ZIONS BANCORPORATION, NATIONAL ASSOCIATIONは米国ユタ州ソルトレイクシティに本社を置く商業銀行で、2024年に約31億ドルの純収益と約890億ドルの総資産を計上しています。 同社は預金・決済サービス、住宅ローンや個人向けローン、中小企業向け融資、商業不動産融資、資本市場・投資銀行業務、資産運用・信託など幅広い銀行商品を支店やデジタルチャネルで提供しています。

主要顧客は個人および中小〜中堅企業、商業不動産の借り手、公共団体などで、年末時点で100万人超の顧客を404の支店とオンラインで支えています。 収益構造は貸出金利と預金の金利差(ネット金利収入)を中心に、口座手数料やカード・決済手数料、資本市場や資産運用による非金利収入が加わる形で成り立っています。

事業は地域別に独立性を持たせた七つの「アフィリエイト銀行」を中核としており、各地域での価格設定や商品を柔軟に調整して顧客ニーズに応えています。 本社機能に相当する「Other」セグメントはガバナンス、リスク管理、集中化された技術やバックオフィスを担い、各アフィリエイトを支援しています。 取り扱う主な商品ラインには、商業・小口融資や現金管理、カード・決済サービス、ローン組成や資金調達・助言を行う資本市場業務、商業不動産・住宅ローン、そして資産運用・信託サービスなどがあります。

経営方針

同社は顧客数、事前引当前純収益(PPNR)、収益性、株主還元の「バランスの取れた成長」を目指しています。2024年の純収入は約31億ドル、総資産は約890億ドル、顧客数は100万人超といった規模を背景に、商業・中小企業・資本市場・ウェルスマネジメント・コンシューマーの5つの成長領域に注力しています。2024年の希薄化後1株当たり利益は4.95ドルで前年度の4.35ドルから改善し、株主資本は前年比で8%増の約61.2億ドルとなるなど、収益と資本の両面で安全余裕を確保しつつ成長を図っています。内部ストレステストでも規制最低比率を超える資本水準を維持できると評価されており、この堅牢性を維持することを目指しています。

同社は人材育成と地域密着を差別化の中核に据えています。7つの地理的に分かれた加盟銀行を通じて地域ブランドと現地経営権を重視し、404の支店(うち275店は自社所有)と9,406人のフルタイム換算従業員で地域関係を深める方針です。従業員への投資としては1,500件を超える学習プログラムを提供し、2024年だけで1,000超の研修機会を開催するなど、スキル構築と定着を重視しています。またマーケティング、業務の効率化、リスク管理、データ・分析といった領域にも資源を配分し、地域サービスの質で競合との差別化を図っています。

新市場開拓や事業拡大は主に既存の地域ネットワークと業務領域の深化で進めています。同社はアリゾナ、カリフォルニア、コロラド、アイダホ、ネバダ、ニューメキシコ、オレゴン、テキサス、ユタ、ワシントン、ワイオミングといった主要州で事業を展開しており、商業貸出や資本市場サービス、ウェルス運用の拡大を通じて収益基盤を広げています。株主還元と資本政策でも機動性を持たせており、2024年12月には約3.74億ドル相当の優先株を償還して資本構成を簡素化するとともに、2024年第一四半期には90万株を約3,500万ドルで自社株買いした実績があり、将来的な自社株買い枠(2025年は最大4,000万ドルの承認)などで柔軟に対応する計画です。

同社は技術革新に継続的に投資しており、集中化した技術基盤とデータ分析を活用して店舗とデジタルチャネル(オンライン、モバイル)の連携や業務効率化を進めています。サイバーセキュリティ対策やサプライヤーのリスク監視、最高情報セキュリティ責任者による継続的監視体制も整備し、外部脅威と事業継続リスクの軽減に努めています。さらにデータと分析ツールの強化により、各地域法人が迅速かつ根拠ある判断を行えるよう支援することで、収益性向上と顧客体験改善を同時に追求しています。