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- OLYMPIC STEEL INC
OLYMPIC STEEL INCZEUS
事業内容
OLYMPIC STEEL INCは、鉄鋼やステンレス、アルミなどの金属を仕入れて加工・販売する金属サービスセンターです。鋼板・コイル・プレートやパイプ・チューブを中心に、切断、曲げ、溶接などの付加価値加工を行い、加工済み材料を短納期で供給しています。
同社の顧客は完成品メーカーや設備メーカー、造船や建設、輸送、農機具、商業用家具など多様な産業ユーザーが中心で、頻繁な納品や少量多頻度の受注に応えることで収益を上げています。大量在庫を保有して短納期を実現し、加工料や物流サービスを含む製品販売が主な収益源で、原材料は主に国内調達で賄っています。
事業は大きく3つのセグメントに分かれており、特殊金属平板部門はステンレスやアルミの板材・コイルや製品部品を扱い、カーボン平板部門は炭素鋼やコーティング鋼の大量販売と金属製成品(自動排出ホッパーやダンプインサート等)を手掛けています。パイプ・チューブ部門はチューブやバーの加工・製造に注力しており、レーザー加工やロボット溶接などの加工能力を強化することで顧客の要望に対応しています。
経営方針
同社は「利益を伴う地理的・製品の成長」を掲げ、買収と自社立ち上げを通じて市場シェアの拡大と収益の安定化を目指しています。近年の業績は景気循環の影響を受けており、2024年の純利益は約2,298万ドル、1株当たり利益は基本で1.97ドルでしたが、同社は「在庫回転の管理」や「営業経費の最適化」を重視し、より一貫したリターンと現金回転率の維持を目標としています。
同社は設備・人材・システムへの重点投資で差別化を図っています。具体的には加工設備や自動化設備(梱包・搬送・溶接など)への投資、基幹業務システム(ERP)や情報セキュリティへの投資を進めており、従業員教育や安全対策にも力を入れています。こうした投資により顧客の短納期対応や付加価値加工(切断、曲げ、溶接など)で競合優位を築くことを狙っており、長年の取引先との関係や豊富な在庫、経験豊かな営業力を強みとしています。
新市場開拓と事業拡大は主にM&Aを軸にしています。直近の主な買収は、2023年1月にMetal‑Fabを約1.312億ドルで取得、2023年10月にCTBを約4,030万ドルで取得、2024年11月にMetal Worksを約8,000万ドルで取得しており、これらはそれぞれ空調・通気関連、チューブ・バーの付加加工、サービスステーション用キャノピーや太陽光ラッキング部材など製品群を拡充しました。資金面では最大6.25億ドルのABL与信枠を保有し、買収や配当、自己株式取得枠(2015年承認の最大55万株中36万余りが未実行)を通じて資本配分を行っています。配当は四半期ごとに支払いを行い、2025年2月には1株あたり0.16ドルを発表しています。
技術革新への取り組みとして、同社は基幹業務システム(ERP)を中心に業務標準化と在庫・生産管理のリアルタイム化を進め、電子商取引(EDIや特定顧客向けのエクストラネット)で取引効率を高めています。また、サイバーセキュリティ対策を経営リスク管理の一環として監督委員会が統括し、外部専門家を交えた評価・強化や従業員教育を実施しています。内部では「Flawless Execution(Fe)プログラム」といった継続的改善の仕組みで現場の効率化と安全向上を図り、これらを通じて付加価値提供とコスト低減を両立させることを目指しています。