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XPO, Inc.XPO
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事業内容
XPO, Inc.は主に貨物輸送と物流サービスを手がける企業です。同社は小口貨物輸送(LTL)を中心に、フルトラック輸送や倉庫・配送センターでの物流管理を組み合わせて顧客のサプライチェーンを支えています。
顧客は小規模事業者からフォーチュン500まで約55,000社にのぼり、製造・小売・食品など幅広い業種にサービスを提供しています。同社は輸送契約やスポット取引、追加サービスの料金で収益を得ており、出荷時や月次で請求する仕組みを通じて収入を回収しています。収益の大半は北米で得ており、欧州事業も重要な収入源になっています。
事業セグメントでは北米のLTL事業が中核で、欧州輸送やその他の輸送・物流サービスを組み合わせたネットワーク運営を行っています。同社は独自のXPO Smartという技術を使い、配車や価格設定、積載効率、倉庫作業の最適化によってコスト削減とサービス品質向上を図っています。また、車両やサービスセンターへの投資や戦略的な買収でネットワーク容量を拡大しています。
経営方針
同社は北米を中心に「質の高い顧客サービス」「ネットワークと容量への投資」「イールド(単位当たり収入)向上」「コスト効率の改善」という4つのレバーで成長を図る包括的な成長計画を掲げています。2021年第4四半期に計画を打ち出して以降、損害請求率を2021年Q4の1.2%から2024年Q4に0.2%へと改善し、2024年通年ではイールドを前年比7.8%伸ばすなど具体的な成果が出ており、同社はこれらの改善をさらに進めてより多くの貨物を取り込むことを目指しています。
重点投資は車両とサービス拠点などのネットワーク容量にあります。2024年には資本支出の約3分の2を車両増強に投じ、トレーラーを4,400台超、トラクターを2,300台超追加しました。2021年末以降で見るとトレーラーは15,500台超、トラクターは4,700台超を増強し、ネットワークに2,000以上の純増ドア(拠点接続点)を加えています。これにより平均トラクター年齢は2022年末の5.9年から2024年末に4.1年へと若返り、外注の長距離走行比率を2021年の23.6%から2024年は14.7%(2024年Q4は10.7%)に下げるなど、自前化でコストと品質の差別化を図っています。
事業拡大や新市場開拓では、既存ネットワークへの貨物の取り込みと買収による拠点強化を並行しています。顧客基盤は約55,000社に及び、収益構成は2024年で約60%が北米、残りが欧州(フランス16%、英国13%、その他11%)です。2023年末のイエロー社のサービスセンター28拠点の取得に見られるように、同社は拠点買収でネットワークを拡大し、需給改善時には迅速にシェアを取り込む構えです。一方で欧州事業の売却検討にも言及しており、将来的には北米LTLに経営資源を集中させる選択肢も想定しています。
技術革新は同社の差別化の中核です。クラウド上の独自ソフトウェア群「XPO Smart®」を用い、配車や輸送ルートの最適化、トレーラーの活用率向上、現場の生産性管理、契約アカウント向けの自動価格設定などを行っています。2024年には約180億ポンドの貨物を約8.15億マイル移動させ、日平均で線路走行約260万マイルを扱う規模でリアルタイムの可視化や予測分析(機械学習)を活用し、空車走行削減や損傷低減、労働生産性向上を目指しています。環境面ではトレーラーの廃材の86%をリサイクルするなど資源効率にも取り組んでいます。