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EXXON MOBIL CORPXOM
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事業内容
Exxon Mobil Corporationは世界的なエネルギー・化学企業で、原油や天然ガスの探査・開発から精製、燃料や化学製品の製造・販売までを一貫して行っています。同社は大規模な資源基盤と技術力を活かし、ガソリンや航空燃料、潤滑油、プラスチック原料などを世界中に供給しています。
主要な顧客は運輸・航空業界や化学メーカー、工業分野、そして一般消費者向けの燃料販売網などで、収益は原油・ガスの販売、精製品の販売、化学製品の販売が中心です。同社はスポット市場での短期取引と、一部では長期契約を組み合わせることで収益の安定化を図り、地域や製品ごとに収益源を分散しています。
事業は上流(探査・生産)、製品ソリューション(燃料や石油化学製品、特殊製品)と低炭素事業の三つの柱で構成されています。同社は上流での生産拡大と精製・化学での付加価値創出に投資すると同時に、二酸化炭素回収・貯留や水素、低炭素燃料といった技術の商業化にも取り組み、長期的な競争力維持を目指しています。
経営方針
同社は統合型の事業モデルを軸に、安定した配当と株主還元を両立させつつ持続的な成長を目指しています。投資判断は年次の「Corporate Plan」とそれを支える長期見通し(Global Outlook)に基づき、低コストでの資源供給を重視することで長期的な競争力を確保しようとしています。財務面では2024年の営業キャッシュフローが約550億ドル、同年の設備投資が約243億ドルといった規模で事業投下を行っており、株主還元としては2024年までに段階的に実施してきた自社株買いに続き、2024年末のCorporate Plan更新で「2026年まで年間約200億ドルの買い戻しペースを想定」している点が明示されています。また、2024年にPioneerを買収(発行株式545百万株、取得対価約630億ドル相当)するなど資源基盤の強化も進めています。
重点投資分野は上流(油・ガスの探査・開発)と製品側(精製、化学、特殊製品)を両輪とする「Product Solutions」で、ここに「Low Carbon Solutions(低炭素事業)」を並べる構成です。上流では埋蔵量獲得と低コスト供給を通じた原料安定化を目指し、製品側では精製から化学までの統合によって価格変動に対するリスクを緩和し差別化を図っています。同社はスケールと統合されたサプライチェーン、技術開発や大規模プロジェクトを担う中央組織(Global Projects、Technology and Engineering等)を競争優位の源泉と位置づけています。
新市場開拓では低炭素分野への注力が明確です。同社は事業部門としてLow Carbon Solutionsを設け、二酸化炭素の回収・貯留(CCS)、水素、低排出燃料、Proxximaと呼ぶ分散型供給システム、炭素材料、リチウム(電池向け)や高度なリサイクルといった領域で案件パイプラインを構築しています。実際に2023年にDenburyを買収してCCS関連の能力を取り込み、これらの商業化を通じて他社の排出削減にも貢献する計画です。同社は運転資産のScope 1・2排出を2050年までにネットゼロにすることを目標に掲げ、またPermianの従来系運転資産は2030年、Pioneer由来資産は2035年までのネットゼロ達成を目指しています。さらに2030年目標として、2016年比で温室効果ガス強度を20–30%、メタン強度を70–80%、上流のGHG強度を40–50%、フレア(排気)強度を60–70%削減する計画を示しています。
技術革新への取り組みは研究開発と外部連携の両輪で進められており、社内での技術ポートフォリオ整備に加え、大学や商業パートナーとの共同開発を重視しています。具体的にはCCSや空気直接回収(Direct Air Capture)、水素製造プロセス、カーボン材料やProxximaなどの実証・商業化を急ぎ、商業段階に移行した技術はLow Carbon Solutionsを通じて展開する方針です。同社は大規模投資案件を定期的に再評価して学びを反映するプロセスを持ちますが、こうした低炭素技術の普及・コスト低減には「安定した政策支援や許認可の適時化」が重要であると同時に、それらが実現しなければ投資回収に影響が及ぶリスクがあることも明確にしています。