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Xenia Hotels & Resorts, Inc.XHR
事業内容
Xenia Hotels & Resorts, Inc.は米国を中心に高級からアッパーアップスケールのホテルを所有する上場の不動産投資信託(REIT)です。同社は主要ブランドに提携した個性的な宿泊施設を取得して保有し、ホテルの直接運営は外部の運営会社に委ねながら資産価値の最大化を図っています。立地や施設の独自性、長期的な客室収入の成長を重視して投資先を選定しています。
主要な顧客層は出張や観光の個人滞在客、会議やイベントでまとめて部屋を取るグループ、さらに企業との長期契約や航空乗務員などの契約需要です。収益構造は主に客室収入が中心で、次いで飲食・宴会、スパや駐車場、テナント賃料などの付帯収入で構成されています。稼働率と1室当たり平均料金が売上を左右し、ブランド力や販売チャネルも収益に影響します。
事業面では同社は新築や最近建設された物件から、改修や運営改善で価値創出が見込める成熟物件まで幅広く投資しています。社内に資本計画やプロジェクト管理のチームを置き、改装工事を自前で推進してコストとタイムラインを管理するとともに、運営会社と連携して収益改善やコスト抑制に取り組んでいます。地理的には主要都市や人気レジャー地に偏在しており、その集中度がリスクと機会の双方に影響します。
経営方針
同社は成長戦略として、米国の上位25市場と主要なレジャー需要地にあるラグジュアリーおよびアッパーアップスケールのホテルに重点投資し、リスク調整後のリターン最大化を目指しています。具体的にはブランド提携のある差別化された物件を優先して取得し、資産の選定基準として「立地の優位性」「代替コストより低い取得価格」「複数の需要源」を重視しています。資本配分では、公開時点で最大2億ドルのATM(随時株式販売)枠を保持し、株主還元の手段として買戻し枠約1.179億ドルを確保しているほか、四半期配当は2024年に1株あたり0.12ドルで年間約0.48ドルを支払うなど、バランスの取れた成長と配当の両立を図っています。
同社は差別化の源泉として、物件ごとの積極的なアセットマネジメントと自社によるプロジェクト管理を掲げています。運営会社との定期的な収益・販売・財務レビューや、複数ブランド間でのベンチマークを通じて運営改善を推進しており、物理的改修に対しては社内の資本計画チームで設計・施工を統括することでコストと期間を圧縮しています。2024年末時点で家具・備品の更新準備金は約5,890万ドル、改修契約の未実行残高は約4,760万ドルといった具体的な投資備えを持ち、管理・フランチャイズ費用は同年で約3,650万ドルとなっています。
同社は新規市場の開拓とポートフォリオ調整を機動的に行う方針です。過去の事例としては2022年にナッシュビルのWホテルを約3.285億ドルで取得し、2024年にはアレクサンドリアのロリエンホテル&スパを約3,000万ドルで売却して160万ドルの売却益を計上するなど、取得と処分を通じた資本の再配分を行っています。資金面では営業キャッシュフローを主要資金源としつつ、必要に応じて長期債務やエクイティ発行、前述のATMを活用して買収資金や改修投資をまかなう計画です。また、同社は持分95.8%のオペレーティング・パートナーシップからの分配に依存する構造を取っており、この運営形態に基づくキャッシュフロー管理を重視しています。
同社は技術面では情報技術と通信への投資を通じて収益管理や運営効率の向上を図っています。財務報告や内部統制体制にも注力しており、2024年12月31日現在での内部統制評価は有効と経営陣が結論付け、外部監査人であるKPMGによる監査を受けています。これらの取り組みは、運営会社との連携による収益最適化や改修プロジェクトの迅速化を支え、物件ごとの客室収益(RevPAR)や営業利益率の改善につなげることを狙いとしています。